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レッドクイーン理論とは?ライバル設定で勉強のやる気と成績を伸ばす方法

「自分の成績は本当に伸びているのだろうか」「ちゃんと勉強できているのかな」。受験が近づくと、そんな不安から手が止まってしまうことはありませんか?
そんなときにおすすめなのが、「ライバル」を意識することです。そのヒントになるのが、「レッドクイーン理論」という考え方です。

本記事では、レッドクイーン理論(赤の女王仮説)の意味と由来を分かりやすく紹介し、それを受験勉強に応用したライバル設定の方法を解説します。さらに、ライバル設定の注意点や、最強のライバルである「過去の自分」を超え続けるための勉強記録のつけ方を、中高生向けに紹介します。

執筆:坪田塾 本郷三丁目校 講師 山田健一

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目次(クリックで開閉)

・レッドクイーン理論(赤の女王仮説)とは?
┗『鏡の国のアリス』の赤の女王のセリフが由来
┗競い合うことでお互いが成長する「共進化」
┗経営学でも注目される「レッドクイーン理論」
・レッドクイーン理論を受験勉強に応用する|ライバル設定のすすめ
┗ライバルの存在が「動き出すきっかけ」になる
┗ライバル候補①:身近な同級生や仲間
┗ライバル候補②:目標にしたい先輩やSNSの受験生
・ライバルの種類と特徴|自分に合うライバルを選ぼう
・ライバル設定の注意点|他人の点数は気にしすぎない
┗入試の目標は「合格最低点を超えること」
┗比べて落ち込むなら、距離をとってもいい
・最強のライバルは「過去の自分」|セルフ・レッドクイーン効果
┗過去の自分を超え続けると、成長が止まらない
┗「感覚」ではなく「記録」を基準にする
・自分をライバルにするための勉強記録のつけ方
┗「何を・いつ・どこで・どうやって・どれくらい」を記録する
┗ノートの上部に日付と勉強時間を書く
┗間違えた理由と「どうすれば正解できたか」を残す
┗週に1回、記録を見返して「先週の自分」と比べる
・保護者ができるサポート
・よくある質問
┗ライバルが見つからないときは、どうすればいいですか?
┗ライバルに負けて落ち込んでしまいます
┗勉強記録はアプリと紙のノート、どちらがいいですか?
・まとめ:ライバルを味方に、過去の自分を超え続けよう

レッドクイーン理論(赤の女王仮説)とは?

レッドクイーン理論とは、「競い合う相手がいることで、お互いが成長し続ける」という考え方です。もともとは進化生物学の「赤の女王仮説」という考え方から生まれました。

『鏡の国のアリス』の赤の女王のセリフが由来

「赤の女王」という名前は、ルイス・キャロルの小説『鏡の国のアリス』に登場するキャラクターに由来しています。作中で赤の女王は、アリスに次のように言います。

「同じ場所にとどまるためには、絶えず全力で走っていなければならない(It takes all the running you can do, to keep in the same place.)」

このセリフにちなんで、アメリカの生物学者リー・ヴァン・ヴェーレンが、「生物は常に進化し続けなければ、生き残れない」という仮説を「赤の女王仮説」と名づけました。周りが進化し続けている中では、自分も進化し続けなければ、相対的に取り残されてしまうという考え方です。

競い合うことでお互いが成長する「共進化」

赤の女王仮説を、獲物を追う動物(ライオンなど)と、逃げる動物(シマウマなど)の関係で考えてみましょう。

ライオンは、より速く走れるようになるほど獲物を捕まえやすくなり、生き延びることができます。一方で、シマウマも素早く逃げられるようになるほど、生き延びることができます。シマウマが速く逃げられるようになると、ライオンはさらに速く走れるようにならなければなりません。するとシマウマも、さらに素早く逃げる力が必要になり……と、この関係がくり返されます。

このように、お互いが競い合うことで、どちらも成長していく現象を「共進化」といいます。ライバルの存在が、自分を成長させる原動力になるのです。

レッドクイーン理論

経営学でも注目される「レッドクイーン理論」

赤の女王仮説の考え方は、その後、経営学にも応用されるようになりました。企業同士が競い合うことで、お互いに商品やサービスを改良し、業界全体が成長していくという考え方で、「レッドクイーン理論」や「レッドクイーン効果」と呼ばれています。

競争相手がいることで、現状に満足せずに改善を続けられる。この考え方は、受験勉強にもそのまま当てはめることができます。

レッドクイーン理論を受験勉強に応用する|ライバル設定のすすめ

受験勉強は長い戦いです。一人で黙々と続けていると、やる気が落ちたり、自分の成長が分からなくなったりすることもあります。そこで役立つのが、ライバルを設定することです。

ライバルの存在が「動き出すきっかけ」になる

ライバルを意識すると、次のように考えられるようになります。

「自分が何もしていない今この瞬間も、あの人は単語を覚えているかもしれない」
「今日はやる気が出ないけれど、ライバルはきっと勉強しているはずだから、少しだけでも進めよう」

やる気が出ないときこそ、ライバルの存在が「動き出すきっかけ」になります。最初の一歩を踏み出せれば、そのまま勉強を続けられることも多いものです。

ライバル候補①:身近な同級生や仲間

もっとも分かりやすいのは、学校や部活などで身近にいる同級生や仲間です。「学校でとても頑張っているあの人」をライバルにすると、日々の様子が見えるため、刺激を受けやすくなります。

相手に「ライバルにする」と伝える必要はありません。心の中で目標にするだけでも十分です。仲の良い友だちと「次の定期テストで勝負しよう」と声をかけ合い、お互いに高め合うのもよいでしょう。

ライバル候補②:目標にしたい先輩やSNSの受験生

身近にライバルが見つからない場合は、自分の中で目標とする人物を決めるのも一つの方法です。たとえば、志望校に合格した先輩や、SNS上で勉強記録を発信している同学年の受験生などです。

ただし、SNSは見始めると時間を使いすぎてしまうこともあります。「勉強を始める前に5分だけ見る」など、ルールを決めて上手に刺激をもらいましょう。

ライバルの種類と特徴|自分に合うライバルを選ぼう

ライバルには、それぞれメリットと注意点があります。自分に合ったライバルを選ぶ参考にしてください。

ライバル例メリット注意点
身近な同級生・仲間同じクラスで頑張っている友だち様子が見えて刺激を受けやすい点数で比べて落ち込みやすい
目標にしたい人物志望校に合格した先輩、SNSの受験生目指す姿がはっきりするSNSの見すぎに注意
過去の自分先週・先月の自分の勉強記録比べても落ち込みにくく、成長を実感しやすい記録をつけないと比べられない

表のとおり、他人をライバルにする方法には、比べて落ち込んでしまうリスクもあります。そこで、この記事で一番おすすめしたいのが、「過去の自分」をライバルにすることです。

ライバル設定の注意点|他人の点数は気にしすぎない

ライバルを意識することは、やる気を高めるきっかけになります。ただし、使い方を間違えると逆効果になることもあります。

入試の目標は「合格最低点を超えること」

入試は、ライバルとの勝ち負けで合否が決まるわけではありません。大切なのは、志望校の合格最低点を超えることです。極端にいえば、ライバルが何点を取ったかは、自分の合否には関係ありません。

ライバルは、あくまで自分が動き出すための「きっかけ」として活用しましょう。点数で勝った・負けたを気にしすぎると、本来の目標を見失ってしまいます。

比べて落ち込むなら、距離をとってもいい

ライバルの成績を知って、「自分はダメだ」と落ち込んでしまうなら、それは良いライバル関係とはいえません。そんなときは、無理に意識せず、少し距離をとってもかまいません。

他人と比べて苦しくなったときの考え方は、成績が伸びない時期の乗り越え方でも詳しく紹介しています。

最強のライバルは「過去の自分」|セルフ・レッドクイーン効果

実は、ライバルを設定するときに最もおすすめの相手がいます。それは、「自分自身」です。

過去の自分を超え続けると、成長が止まらない

「昨日の自分は英単語を30個覚えたから、今日はそれを超えよう」「先週の自分は数学の問題を20問解いたから、今週は25問を目指そう」。このように、過去の自分を超えようとしてみましょう。

今日、過去の自分を超えた自分は、明日には「超えるべき過去の自分」になります。つまり、自分自身との競争が終わることなく続き、どんどん成長していけるのです。これを、レッドクイーン理論になぞらえて「セルフ・レッドクイーン効果」と呼んでいます。

過去の自分が相手なら、他人と比べて落ち込むこともありません。気がつくと、ありえないほどの成長を成し遂げているはずです。

「感覚」ではなく「記録」を基準にする

過去の自分をライバルにするためには、欠かせないことがあります。それが「記録を取る」ことです。

「なんとなく昨日より頑張れた気がする」という感覚だけでは、本当に成長しているのか分かりません。何をどれくらい勉強したのかを記録しておけば、過去の自分と正確に比べることができ、「確かに前より成長している」と実感できます。

自分をライバルにするための勉強記録のつけ方

ここからは、セルフ・レッドクイーン効果を生み出すための、勉強記録のつけ方を紹介します。

「何を・いつ・どこで・どうやって・どれくらい」を記録する

記録するときは、「何を」「いつ」「どこで」「どうやって」「どれくらい」勉強したのかを残しておきましょう。記録する項目の例を表にまとめました。

記録する項目記録の例見返すときのポイント
何を英単語帳 p.50〜60、数学の問題集 第3章どの教材をどこまで進めたか
いつ10月20日 19:00〜20:30集中できた時間帯はいつか
どこで自宅の机、図書館の自習室はかどった場所はどこか
どうやって赤シートで隠して確認、解説を閉じて解き直し効果があったやり方はどれか
どれくらい単語40個、問題15問(正解12問)前回の自分より増えているか

最初からすべてを書こうとすると続かないので、まずは「何を」と「どれくらい」だけでもかまいません。慣れてきたら、少しずつ項目を増やしていきましょう。

ノートの上部に日付と勉強時間を書く

手軽に始められるのが、勉強しているノートの上部に、日付と勉強時間を書いておく方法です。ストップウォッチで時間を測りながら勉強すると、集中力も高まります。

ノートを見返すたびに、「この日はこれだけ勉強した」という記録が自然と目に入るため、過去の自分と比べやすくなります。

間違えた理由と「どうすれば正解できたか」を残す

問題を解いたら、その時の感想や、「なぜ間違えたのか」「どうすれば正解できたのか」をノートに書き残しておきましょう。

未来の自分がそれを見返したときに「当時の自分はこう考えていたのか」と振り返ることができ、成長を確かめる基準になります。また、同じ間違いを繰り返していないかを確認するのにも役立ちます。間違えた問題の復習方法は、間違えた問題の復習方法もあわせて参考にしてください。

週に1回、記録を見返して「先週の自分」と比べる

記録はつけるだけでなく、見返すことが大切です。週に1回、たとえば日曜日の夜に、1週間分の記録を見返してみましょう。

「先週より勉強時間が増えた」「前は解けなかった問題が解けるようになった」など、成長を実感できれば、次の1週間のやる気につながります。もし伸びていなければ、勉強のやり方や時間の使い方を見直すきっかけにしましょう。

保護者ができるサポート

お子さまのやる気を引き出そうとして、「〇〇さんはもっと頑張っているよ」と他の子と比べてしまうことはありませんか?ライバルは、子ども自身が選ぶからこそ刺激になります。保護者が他人と比べることは、かえってやる気を下げてしまうこともあります。

保護者の方におすすめしたいのは、お子さまの「過去の自分」との比較を手伝うことです。「先月より勉強時間が増えたね」「前は苦手だった問題が解けるようになったね」と、記録をもとに成長を一緒に喜んであげてください。自分の成長を認めてもらえることが、勉強を続ける大きな力になります。

よくある質問

ライバルが見つからないときは、どうすればいいですか?

無理に他人のライバルを探す必要はありません。その場合は、過去の自分をライバルにしましょう。今日から勉強記録をつけ始めれば、明日にはもう「超えるべき昨日の自分」がいることになります。

ライバルに負けて落ち込んでしまいます

ライバルに負けたと感じたときは、「入試の目標は合格最低点を超えること」だと思い出してください。そのうえで、過去の自分と比べて成長している点を探してみましょう。落ち込みが続くようなら、そのライバルとは少し距離をとってもかまいません。

勉強記録はアプリと紙のノート、どちらがいいですか?

どちらでもかまいません。勉強時間を自動で集計できるアプリは手軽で、グラフで成長を確認しやすいのが魅力です。一方、紙のノートは、間違えた理由や感想を自由に書き込めるのが良いところです。大切なのは、自分が続けやすい方法を選ぶことです。

一人で記録や振り返りを続けるのが難しいときは、だれかに伴走してもらうのも一つの方法です。坪田塾では、講師が一人ひとりの学習記録をもとに成長を一緒に確認し、次の目標を考えます。自宅から指導を受けられるオンライン校もあります。

まとめ:ライバルを味方に、過去の自分を超え続けよう

レッドクイーン理論は、競い合う相手がいることで、お互いが成長し続けるという考え方です。最後に、ポイントをおさらいしましょう。

・ライバルの存在は、やる気が出ないときの「動き出すきっかけ」になる
・入試の目標は合格最低点を超えること。他人の点数は気にしすぎない
・最強のライバルは「過去の自分」。超え続けることで成長が止まらなくなる
・過去の自分と比べるために、「感覚」ではなく「記録」を基準にする

まずは今日の勉強から、ノートの上部に日付と勉強時間を書くことを始めてみてください。昨日の自分を少しずつ超えていく積み重ねが、入試本番での大きな力になります。

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