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中高生の反抗期は脳が成長しているサイン|原因・親の接し方と勉強への活かし方

「最近、子どもが口をきいてくれない」「何を言っても反発されてしまう」。中学生・高校生のお子さまの反抗期に、頭を悩ませている保護者の方は多いのではないでしょうか。
一方で、反抗している本人も、「なんでこんなにイライラするんだろう」「本当は言いたくないのに、きつく言ってしまう」と悩んでいることがあります。

反抗期というと、どうしてもネガティブなイメージを持たれがちです。しかし、反抗期は決して悪いものではありません。むしろ、脳が大人へと成長している大切なサインなのです。

本記事では、反抗期が起こる原因を脳の発達の視点からわかりやすく解説し、反抗期を前向きにとらえるための考え方を紹介します。反抗期の子どもを持つ保護者の方はもちろん、今まさに反抗期の真っただ中にいる中高生のみなさんにも、ぜひ読んでほしい内容です。

執筆:坪田塾 星ヶ丘校 講師 島田

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目次(クリックで開閉)

・反抗期とは?中高生に起こる「第二次反抗期」
┗反抗期の意味
┗中学生・高校生の反抗期はいつまで続く?
・反抗期が起こる原因は「脳の成長」にある
┗思春期は脳の発達にとって重要な時期
┗気持ちのブレーキ役「前頭前野」は最後に成熟する
┗反抗期は「自立」に向けた大切なステップ
・反抗期は「成長痛」と同じ
┗背が伸びるときの痛みなら、受け入れられる
┗反抗期は「頭が良くなるときに起こる副作用」
・10代の脳は「学ぶ準備」ができている
┗新しい経験に適応する力が高い時期
┗反抗期のエネルギーを勉強に向ける方法
・反抗期の真っただ中にいる中高生へ伝えたいこと
┗好きで反抗しているわけではないよね
┗反抗期は自然に起こり、そのうちちゃんと収まる
┗頭が良くなる時期だから、勉強しないと損
┗イライラしたときの気持ちの切り替え方
・保護者の方へ:反抗期の子どもとの接し方
┗「よしよし、わが子が賢くなっている」と受け止める
┗「勉強しなさい」と言いすぎない
┗問いかけ方や言葉の選び方を工夫する
┗やってしまいがちな対応と、おすすめの対応
┗性格タイプに合わせて声かけを変える
・よくある質問
┗反抗期がない子は問題がありますか?
┗反抗期で勉強しなくなったら、どうすればいいですか?
┗反抗がひどく、家庭だけで対応するのが難しい場合は?
・まとめ:反抗期は成長のサイン。前向きに受け止めよう

反抗期とは?中高生に起こる「第二次反抗期」

まずは、反抗期とはどのようなものなのかを整理しておきましょう。

反抗期の意味

反抗期とは、子どもが親や周りの大人の言うことに反発したり、自分の考えを強く主張したりするようになる時期のことです。一般的に、反抗期は成長の過程で2回訪れるといわれています。

1回目は、2~3歳ごろの「第一次反抗期」です。何に対しても「イヤ!」と言う、いわゆる「イヤイヤ期」がこれにあたります。2回目が、思春期に訪れる「第二次反抗期」です。中学生・高校生の反抗期は、この第二次反抗期にあたります。

第二次反抗期では、親に口ごたえをする、話しかけても無視をする、部屋にこもる、干渉されるのを極端に嫌がるといった様子が見られます。親から見ると「急に別人のようになってしまった」と感じることもあるでしょう。

中学生・高校生の反抗期はいつまで続く?

反抗期が始まる時期や続く期間は、人によって大きく異なります。小学校高学年ごろから始まる子もいれば、高校生になってから強く表れる子もいます。また、はっきりとした反抗期がないまま大人になる人もいます。

ただ、多くの場合、反抗期はずっと続くものではありません。成長とともに自分の気持ちをコントロールできるようになり、少しずつ落ち着いていきます。「いつか必ず収まるもの」と知っておくだけでも、親子ともに気持ちが少し楽になるはずです。

反抗期が起こる原因は「脳の成長」にある

では、なぜ思春期になると反抗期が訪れるのでしょうか。その大きな理由の一つが、脳の成長です。

反抗期と脳の成長

思春期は脳の発達にとって重要な時期

アメリカの国立精神衛生研究所(NIMH)が公表している資料「The Teen Brain: 7 Things to Know」では、思春期は脳の発達にとって重要な時期であると説明されています。脳の大きさ自体は思春期の初めごろまでにほぼ大人と同じになりますが、その後も脳は機能の面で発達を続け、発達と成熟を終えるのは20代半ばから後半だとされています。

つまり、中学生・高校生の脳は、まさに大人の脳へと作り変えられている最中なのです。体が大きく成長する時期に体のバランスがとりにくくなるように、脳が成長している時期には、心のバランスがとりにくくなることがあります。

気持ちのブレーキ役「前頭前野」は最後に成熟する

同じ資料では、計画を立てる、優先順位をつける、よい判断をするといった働きを担う「前頭前野」は、脳の中で最後に成熟する部分の一つだと説明されています。前頭前野は、いわば気持ちや行動にブレーキをかける役割を持つ部分です。

思春期は、感情が大きく揺れ動きやすい一方で、そのブレーキ役である前頭前野はまだ発達の途中にあると考えられています。そのため、ついカッとなって強い言葉を言ってしまったり、自分でも気持ちをうまくコントロールできなかったりすることがあるのです。反抗期の言動は、本人の性格が悪くなったからではなく、脳が成長している途中だからこそ起こるものだといえます。

反抗期は「自立」に向けた大切なステップ

反抗期には、もう一つ大切な意味があります。それは、親から精神的に自立していくためのステップだということです。

子どもは成長するにつれて、「自分で考えたい」「自分で決めたい」という気持ちが強くなります。親の言うことにそのまま従うのではなく、自分なりの考えを持とうとするからこそ、親とぶつかるのです。反抗期は、子どもが一人の人間として自分の価値観を作り上げている証拠でもあります。

反抗期は「成長痛」と同じ

私が反抗期を前向きにとらえるようになったのは、以前、思春期の子どもの脳の発達をテーマにしたテレビ番組を見たことがきっかけでした。番組では、厄介に思える思春期の行動が、人間が脳を高度に発達させるうえで重要な意味を持っていることが紹介されていました。

背が伸びるときの痛みなら、受け入れられる

その番組を見て私が思ったのは、「反抗期って、成長痛と同じなのでは?」ということです。

成長期に、ひざや足が痛くなる「成長痛」を経験したことがある人もいるでしょう。夜眠れないほど痛いこともありますが、「背が伸びるなら、一時的な痛みは受け入れたい」と思う人は少なくないはずです。成長痛は、いわば「急に背が伸びるときに起こる副作用」ととらえることができます。

反抗期は「頭が良くなるときに起こる副作用」

同じように考えると、反抗期は「頭が良くなるときに起こる副作用」という見方ができます。脳が大人へと成長しているからこそ、一時的に気持ちが不安定になり、反抗的な態度をとってしまう。そう考えると、反抗期は決して悪いことではなく、むしろ喜ぶべき成長のサインだといえるのではないでしょうか。

反抗期バンザイ!私はそう考えるようになってから、反抗期に悩む保護者の方や、反抗期の真っただ中にいる生徒に対して、前向きな言葉をかけられるようになりました。

10代の脳は「学ぶ準備」ができている

反抗期が脳の成長の時期だということは、勉強にとっても大きな意味を持っています。

新しい経験に適応する力が高い時期

先ほど紹介したNIMHの資料では、10代の脳は新しい経験や状況に適応し、反応する驚くべき能力を持っていると説明されています。そして、難しい授業や運動、芸術や音楽などの創造的な活動に取り組むことが、脳の回路を強くし、脳の成熟を助けるとされています。

つまり、中学生・高校生の時期は、勉強に取り組めば取り組むほど、脳がそれに応えて成長しやすい時期だといえます。反抗期だからといって勉強から離れてしまうのは、とてももったいないことなのです。

反抗期のエネルギーを勉強に向ける方法

反抗期の「自分で決めたい」「人に指図されたくない」という気持ちは、見方を変えれば、自立して勉強に取り組むための大きなエネルギーになります。反抗期の特徴を、勉強にどう活かせるかをまとめました。

反抗期の特徴
その背景
勉強への活かし方
人に指図されるのを嫌がる自分で決めたい気持ちが強くなっている勉強の計画や目標を自分で立てる
親の意見に反論する自分なりの考えを持とうとしている「なぜ?」と疑問を持ち、理由から理解する勉強をする
一人の時間を大切にしたがる自分の世界や価値観を作っている一人で集中して取り組む自学自習の時間にあてる
感情が大きく揺れ動く気持ちのブレーキ役がまだ発達の途中イライラしたら短い休憩をとり、気分を切り替えてから再開する
大人に認められたい気持ちが強い一人前に扱われたいと感じている結果を自分で記録し、成長を実感する

特におすすめなのが、勉強の計画を自分で立てることです。親や先生に決められた計画では反発したくなっても、自分で決めた計画なら、前向きに取り組みやすくなります。また、教科書を読むだけでなく、問題を解いたり、覚えたことを声に出して説明したりする「アウトプット」中心の勉強は、自分の頭で考える力を伸ばし、反抗期の「自分で考えたい」という気持ちにもぴったり合っています。

反抗期の真っただ中にいる中高生へ伝えたいこと

ここからは、今まさに反抗期の真っただ中にいる中高生のみなさんに向けて、伝えたいことをお話しします。

好きで反抗しているわけではないよね

親にきつく言ってしまったあとで、「本当はあんなこと言うつもりじゃなかったのに」と後悔した経験はありませんか?反抗期の多くの人は、好きで反抗しているわけではありません。本当に親のことが嫌いなわけでもないはずです。

気持ちがうまくコントロールできないのは、あなたの性格が悪いからではなく、脳が成長している途中だからです。自分を責めすぎる必要はありません。

反抗期は自然に起こり、そのうちちゃんと収まる

反抗期は、成長の過程で自然に起こるものです。そして、多くの場合、成長とともに少しずつ落ち着いていきます。今はイライラしたり、親とぶつかったりすることが多くても、それがずっと続くわけではありません。安心してください。

頭が良くなる時期だから、勉強しないと損

反抗期が「頭が良くなるときに起こる副作用」だとしたら、今は脳がぐんぐん成長している時期です。そんな時期に勉強しないのは、もったいないと思いませんか?

「親に言われたから勉強する」のではなく、「自分の脳を成長させるために勉強する」と考えてみてください。自分で目標を決め、自分のペースで進める勉強は、きっと反抗期のあなたにも合っているはずです。

イライラしたときの気持ちの切り替え方

イライラが止まらないときは、次のような方法を試してみましょう。

・いったん部屋を出たり、深呼吸をしたりして、その場から少し距離をとる
・イライラしている理由を、ノートに書き出してみる
・軽く体を動かしたり、好きな音楽を聴いたりして気分を変える
・夜はしっかり眠る

特に睡眠は大切です。NIMHの資料でも、多くの10代は十分な睡眠をとれておらず、睡眠不足は注意を向けることや衝動を抑えることを難しくすると説明されています。寝不足の日にイライラしやすいと感じたら、まずは睡眠時間を見直してみましょう。

保護者の方へ:反抗期の子どもとの接し方

お子さまの反抗期に向き合うのは、保護者の方にとっても大変なことです。ここでは、反抗期の子どもと接するときのポイントを紹介します。

反抗期の子への接し方

「よしよし、わが子が賢くなっている」と受け止める

私は、反抗期に悩む保護者の方に、次のようにお伝えしています。

・お子さまも、好きで反抗期になっているわけではありません
・むしろ、脳が成長している証拠なので、喜ぶべきことです
・お子さまにきつく当たられたら、心の中で「よしよし、わが子が賢くなっている!」と思うようにしてください

反抗的な態度をとられると、つい感情的に言い返したくなるものです。しかし、「これは脳が成長しているサインだ」ととらえるだけで、気持ちに少し余裕が生まれます。親が落ち着いて受け止めることで、お子さまも少しずつ冷静さを取り戻しやすくなります。

「勉強しなさい」と言いすぎない

反抗期のお子さまに「勉強しなさい」とくり返し言うと、かえって反発を招き、勉強そのものを嫌いになってしまうことがあります。反抗期の「指図されたくない」という気持ちを考えると、命令するよりも、本人が自分で決められるように見守るほうが効果的です。詳しくは、「勉強しなさい」と言われると勉強が嫌いになる理由も参考にしてください。

問いかけ方や言葉の選び方を工夫する

反抗期のお子さまは、「何か悩みある?」と聞いても、「別に」「ない」と答えることがほとんどです。そんなときは、「最近、なんで?って思うこととかない?」のように、答えやすい問いかけを試してみてください。問いかけ方のコツは、問いかけとは?勉強の理解が深まる問いかけ方のコツで紹介しています。

また、不安な気持ちをあおる言葉よりも、前向きな言葉をかけることも大切です。声かけの言葉選びについては、「大丈夫?」よりも「大丈夫!」も参考にしてください。

やってしまいがちな対応と、おすすめの対応

反抗期のお子さまへの対応を、表にまとめました。

場面
やってしまいがちな対応
おすすめの対応
反抗的な態度をとられたとき感情的に言い返す「脳が成長しているサイン」と受け止め、落ち着いて対応する
勉強していないとき「勉強しなさい」とくり返す本人が計画を立てるのを見守り、できたことを認める
話しかけても答えないとき「何か悩みある?」と問い詰める「なんで?って思うこととかない?」と答えやすく問いかける
部屋にこもっているとき無理に部屋から出そうとする一人の時間を尊重しつつ、あいさつなど日常の会話は続ける
進路の話をするとき親の考えを押しつける本人の考えを最後まで聞き、選択肢を一緒に考える

性格タイプに合わせて声かけを変える

同じ言葉をかけても、素直に受け取れる子もいれば、反発したくなる子もいます。坪田塾では、心理学の知見を活かして独自に開発した「9タイプ診断」を指導に取り入れ、生徒一人ひとりの性格タイプに合わせた声かけを行っています。お子さまの性格タイプを知ることは、反抗期の接し方を考えるうえでも役立ちます。詳しくは、坪田塾の9タイプ別性格診断をご覧ください。

よくある質問

反抗期がない子は問題がありますか?

反抗期がはっきり表れないからといって、必ずしも問題があるわけではありません。親子でよく話し合える関係ができていて、大きくぶつかる必要がない場合もあります。ただし、言いたいことを我慢しすぎていないかには気を配りましょう。お子さまが自分の考えを安心して話せる雰囲気を作ることが大切です。

反抗期で勉強しなくなったら、どうすればいいですか?

無理に勉強させようとすると、かえって反発を招くことがあります。まずはお子さまの話を聞き、勉強しない理由を一緒に考えてみましょう。中学生が勉強しない理由と対処法については、中学生が勉強しない理由と親の対処法で詳しく紹介しています。

反抗がひどく、家庭だけで対応するのが難しい場合は?

暴力をふるう、物を壊す、長期間学校に行けないなど、家庭だけでは対応が難しいと感じる場合は、一人で抱え込まず、学校の先生やスクールカウンセラー、地域の相談窓口など、専門の機関に相談しましょう。

また、親子の間では素直になれなくても、第三者の大人の言葉なら受け入れられることもあります。坪田塾では、講師が一人ひとりの性格や気持ちに寄り添いながら、自分で計画を立てて進める学習をサポートしています。自宅から指導を受けられるオンライン校もあります。

まとめ:反抗期は成長のサイン。前向きに受け止めよう

反抗期は、決して悪いものではありません。最後に、ポイントをおさらいしましょう。

・中高生の反抗期は、思春期に訪れる「第二次反抗期」
・反抗期の背景には、大人へと成長している脳の発達がある
・反抗期は「頭が良くなるときに起こる副作用」。成長痛と同じように受け止めよう
・10代の脳は学ぶ準備ができている。反抗期のエネルギーを、自分で決める勉強に向けよう
・保護者は「よしよし、賢くなっている」と心の中で唱え、落ち着いて見守る

反抗期に悩む親子の気持ちが、少しでも軽くなれば幸いです。反抗期バンザイ!

参考:National Institute of Mental Health「The Teen Brain: 7 Things to Know」

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