『集団塾が合わなかった私が、坪田塾の“子”別指導で学習ペースをつかみ、慶應義塾大学に現役合格した話。』

東星来(あずませいら)さん

慶應義塾大学 環境情報学部

伊藤孟留先生

坪田塾 四谷校 講師

坪田塾四谷校に通塾し、慶應義塾大学に現役合格を果たした東 星来(せいら)さん。

大学生になった現在は、海外で働くという夢をかなえるため、環境情報学部でさまざまな学問分野を学んでいます。

星来さんは独立心が強く、前向きな性格の持ち主。もともとは集団指導の学習塾に通っていましたが、より自分に合う環境を求めて坪田塾に通いだし、慶應義塾大学の合格をつかみ取りました。そんな彼女の合格までの軌跡を、四谷校の担当講師だった伊藤先生と共に振り返ります。

 

集団塾では成長を実感できず、自分に合いそうな坪田塾へ

「勉強はあまり好きではなかったですね。どちらかというと勉強よりも部活を一生懸命にやっていました」と、高校時代を振り返る星来さん。当時は中高一貫校に通っており、中学生の頃からずっと硬式テニス部に所属していたそうです。

部活は週3回。そのほかに任意参加で朝練や昼練があり、そちらにも積極的に参加していました。そうした部活中心の生活が続いていた高校2年生の9月、星来さんはある決断をします。

「それまでは部活のない日に集団指導塾に通っていたのですが、あまり成長を実感できなくて。学校の授業と形式が似ていたので、学校でやったことを繰り返しているだけのように感じていたところがありました。だから、自分に足りない部分や必要な個所の学習を進められる個別指導塾のほうが私には合うのかなと思ったんです」

インターネットで個別指導塾について調べるうち、坪田塾のホームページにたどり着いた星来さん。そこに書かれていた“生徒一人ひとりに合わせた指導”という言葉を読み、自分の性格に合いそうだなと感じたそうです。自分のペースで勉強を進められる学習スタイルに惹かれた星来さんは、それまで通っていた塾を辞め、坪田塾四谷校への入塾を決めました。

 

志望校に合わせて苦手な科目だけを集中して学習

小学1年生から6年生までの5年間をオーストラリアで過ごした星来さん。海外生活で培った英語力は非常に高いものがありました。すでに志望校が決まっていたため、坪田塾では必要な教科である世界史、現代文、小論文、古文、漢文に絞って学習を進めることに。その中でも特に「古文と漢文の苦手意識が強かった」といいます。

「漢文は、現代文と古文で学ぶ知識を活用できるという特徴があるので、まずは現代文と古文、最後に漢文の順で学習する計画を立てました。世界史は覚えなければいけない知識が非常に多く、勉強量がものをいう教科です。そのため現代文・古文と並行して、世界史の学習もすぐに始めるようにしました」と、伊藤先生。

こうした柔軟な対応ができるのも、坪田塾の特徴のひとつです。坪田塾では、生徒一人ひとりの性格や学力レベル、志望校に合わせた“子別指導を実践しており、常に複数の講師が連携しながら、その子にとって最適な寄り添い方で学習をサポートしています。

最初は週2回ペースの通塾からスタート。志望校に合格するために必要な教科・学習をメインに、坪田塾での受験勉強が始まりました。

 

独立心の強さを生かしながら、のびのびと勉強

集団塾が合わなかったという星来さんですが、それは星来さんが生まれ持つ性格タイプも大きく影響していたようです。

坪田塾では入塾時に性格診断テストを実施しています。その結果によって生徒さんの性格タイプを9つに分類し、一人ひとりの特徴に合わせた声掛けで指導をおこなっています。星来さんが当てはまった性格タイプは、「芸術家」と「楽天家」でした。

芸術家」タイプは、自分の感性をとても大事にするのが特徴です。個性やユニークさに誇りを感じるため、人と違うことや自分にしかできないことに対してやる気を出す傾向があります。

一方の「楽天家」タイプは、とにかく明るくて、前向きなエネルギーを持っているのが特徴。好奇心旺盛で、とりあえずやってみようと行動に移す思い切りのよさがあります。

伊藤先生はそれらを踏まえ、星来さんの独立心の強さは「芸術家」タイプに由来するものだろうと考えました。統制や管理をしすぎるのではなく、星来さんの意思を尊重しながら、適度な距離感で関わるよう意識していたといいます。

指導するときには、「こうしてくださいと1から10まで細かく言うのではなく、手順は丁寧に伝えるけど、『ここは自分で考えてほしいな』と自分なりの工夫ができる余地を作るよう心がけました」と伊藤先生。

そのことは星来さんも感じていたようで、当時をこう振り返ります。

「考える時間が好きなんですよね。そうした私の気持ちを尊重してくれているな、と思う場面がたくさんありました。たとえば私が小論文のアイディアを出したときも『ここはどういう意味なのか、もうちょっと掘り下げてみて』と、自分で考える時間を与えてくれました」

 

自分の性格に合った勉強方法で、モチベーションをキープ

坪田塾では「反転学習」という学習スタイルを取り入れています。反転学習は、知識をインプットすることにとどまらず、自分の言葉でアウトプットするところまで重視した学習方法です。その学習効果の高さは科学的に証明されています。坪田塾では、自宅での予習によって知識を「インプット」し、塾に来たら、チェックテストや講師とのディスカッションを通じて予習で得た知識を「アウトプット」して学習を進めています。

星来さんは、塾の予習を主に電車の中でおこなっていました。その理由を聞いてみると「学校まで往復1時間、塾まで往復40分ほどの移動時間があったので、この駅までにここまでやろうと決めて予習していました。危機感があったほうが集中力も上がるから」と笑顔で回答。

坪田塾の学習スタイルにも慣れてきて、計画に沿って順調に実力を伸ばし続ける星来さん。その反面、もともと勉強が好きではないために、「ずっと勉強ばかりしているとモチベーションが続かない」と思うこともあったようです。

「モチベーションが上がらないと言いながらも、休むことなく毎回しっかり準備して塾に来てくれていたので、やる気を引き出すような声掛けはあえてしないように心がけていました。なにせ「芸術家」タイプの子は、「やろう!」と言われたら逆にやりたくなくなる傾向があるので。ただ一方で、星来さんは楽観的に物事を考える「楽天家」タイプの特徴も持ち合わせているため、静観しすぎるのもよくないと考えていました」

そう話す伊藤先生は、星来さんに対して次のような声掛けを意識していたといいます。

「星来さんは大丈夫だと思っているかもしれないけど、何があるか分からないからこうしてみない?と提案するようにしていました。こちらの考えや意図はしっかりと伝えつつ、一方的な指示にならないように気をつけて。あくまでも主導権は星来さんに握ってもらい、次に取り組むことを一緒に決めていましたね」

そうしたスタイルで、伊藤先生は星来さんに伴走していったのでした。

 

共通テストの失敗を乗り越え、いざ慶應受験へ

伊藤先生による親身なサポートを受けながら、受験本番に臨んだ星来さん。「メンタルが9割」ともいわれる大学受験ですが、伊藤先生は受験期を通じて、星来さんが落ち込んだり不安になったりする姿を見ることはほぼなかったと話します。しかし一度だけ、星来さんのメンタルが崩れかける出来事が起こりました。それは共通テストを終え、自己採点しているときのことです。

「とくかく点数が振るわなくて。私が志望していた大学では共通テストがとても重要だったので、これはやっちゃったなとかなり落ち込みました」と星来さん。

それを聞いていた伊藤先生は「もしかしたら知らないかもしれないけど」と前置きをしつつ、当時のことを教えてくれました。

「実は星来さんのお母様から連絡をいただいたんです。『娘が共通テストの丸つけをしているが、様子がちょっとおかしい』と。だから次回塾に来るときは、精神的に不安定な可能性もある、そういう心がまえをしていました」

しかし、その予想に反して、星来さんは一人である結論を導き出していました。

「まだ2次試験がある。共通テストの結果も関わってくる大学には影響するけど、慶應義塾大学に共通テストは関係ないからここで失敗しても大丈夫。慶應義塾大学に行こう」と考えたのです。

しかも、スパッと気持ちを切り替えるのに要した期間は、わずか2日。

「『まだ何も終わっていないし、やるべきことをひとつずつやっていくだけだよ』と声掛けをするつもりだったんです。でも、塾に来たときにはもう気持ちの切り替えができていて。なかなかできることではないので正直驚きました」と伊藤先生。

海外生活で培われた精神力と楽天家タイプの前向きさで、共通テストでの失敗を乗り越えた星来さん。志望校を慶應義塾大学に絞り、目標に向かってラストスパートをかけていきました。

 

例年とは違う出題に戸惑いつつも、手ごたえを感じた試験本番

慶應義塾大学の試験日当日、星来さんは意外にも「学校でテストを受ける感覚」で問題を解いていたそう。試験会場に高校の同級生がたくさんいて、友達と「一緒に頑張ろうね」と励まし合っていたためか、あまり緊張せずにすんだといいます。

例年と出題傾向が変わっており、初めは動揺したそうですが、「みんなパニックになっているだろうなと考えて、すぐに冷静になりました」と持ち前のたくましさを発揮。小論文も、早い時期から過去問に数多く取り組んできたことが功を奏し、「思ったよりできたな」と手応えを感じながら試験を終えました。

合格を知ったのは、自宅にいるとき。「ものすごく嬉しかった」と笑顔で話す星来さんは、伊藤先生に慶應義塾大学合格をLINEで伝えました。

伊藤先生に当時の心境を聞いてみると「あぁ、決まってよかったと素直に思いましたね」と、笑顔で当時の心境を教えてくれました。

「共通テストでのつまずきは、それまでの成績から考えても想定しにくい出来事でした。すぐに気持ちを切り替えたとはいえ、本当の思いは星来さん本人にしかわかりません。だから合格の報告をもらって、本当によかったという気持ちでいっぱいでした」

 

自分に合う環境を選択することが大事

星来さんは現在、慶應義塾大学の環境情報学部に通う1年生。大学生活について質問すると、すぐに「キャンパス自体がすごく自由な感じで楽しいです!」と笑顔で答えてくれました。

「今はフランス語を勉強しています。キャンパスには留学生が多くて、留学生のための授業があるんです。その授業は普通の学生も履修できるので、私も受けています」と語る星来さん。授業も自由に選択できることから、あまりこれといった分野を決めずに、興味があるものを履修している段階だそう。

今後の目標については、「最終的に海外で働くのが大きな目標。そこに到達する前の目標はまだ考えていないので、大学でいっぱい刺激を受けて、具体的に何がしたいのかを見つけていきたいです」と抱負を語ってくれました。

自分の受験期を振り返ってみての学びを聞いてみると、「やっぱり自分に合った環境を選ぶことが大事だなと感じました。坪田塾はまさにそういう環境でしたし、いま通っている大学の自由な雰囲気も、とても自分に合っていると感じて毎日が充実しています」と星来さん。

最後に、これから受験に臨む学生さんへのメッセージをお願いしてみました。

「私にとって大学受験は、目標ではなくひとつのステージという位置づけで。海外で働く夢があるので、その過程で大学に入るというマインドで勉強していました。大学受験がゴールになると、どうしても視野が狭くなりやすいですよね。だから『大学に入ることがすべてではない』ぐらいの気持ちでいたほうがいいのかもしれません」と、受験生にポジティブな考え方のコツをアドバイス。

さらに、「努力をする中でつまずく瞬間もあると思います。でも、つまずくということは、それだけちゃんと頑張ってきた証拠。つまずいたときに『もう終わりだ』と嘆くのではなく、頑張ってきたからこそつまずくのだと考えれば、早く次に進もうと思えるんじゃないかな」と力強い言葉をくれました。

大学受験を通じて、自分に合った環境に身を置いて自己実現していくことの大切さを学んだ星来さん。これからも星来さんらしく、人生を切り開いていってくれることでしょう。

 

講師コメント

伊藤孟留 四谷校講師

「大学に入ることがゴールじゃない」という言葉が出てくるほど、彼女の視座は高く、本当に立派だなと思います。高いゴールを設定すれば当然、それを達成するのは難しくなりますが、大学受験というステージをまずはクリアできたこと、そして私たちがその一助になれたことがとてもうれしいです。この経験を更なる自信に変えて、新しい環境でも活躍し続ける星来さんを心から応援しています。