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「勉強しなさい」に代わる声かけ|親子で一緒に勉強するとやる気が続く理由

「勉強しなさい!」と何度言っても、子どもがなかなか机に向かわない。そんな悩みを抱えている保護者の方は多いのではないでしょうか。
実は、子どもに勉強してもらう近道は、言葉で指示することではなく、保護者も「一緒に」勉強を始めることかもしれません。

本記事では、「勉強しなさい」が逆効果になりやすい理由と、同じ行動をとることで協力関係が生まれるという心理学の実験を紹介します。さらに、親子で一緒に勉強する具体的な方法や、「勉強しなさい」に代わる声かけ例、中高生が勉強のやる気を保つためのコツも解説します。

執筆:坪田塾 星ヶ丘校 講師 遠藤らな

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目次(クリックで開閉)

・「勉強しなさい」と言っても子どもが勉強しない理由
┗人は指示されると、かえってやる気をなくしやすい
┗「自分だけやらされている」と感じてしまう
・同じ行動をすると協力関係が生まれる|スタンフォード大学の実験
┗3つのチームで歌を聴いた実験
┗同じ行動が「仲間意識」とやる気を生む
・親子で一緒に勉強する方法5選
┗方法1:保護者も「自分の勉強」を始める
┗方法2:同じ時間・同じ場所で勉強する
┗方法3:「一緒にやらない?」と誘う声かけをする
┗方法4:お互いの「今日の成果」を話す
┗方法5:短い時間から始めて、続けることを目標にする
・「勉強しなさい」に代わる声かけ例
・親子の「一緒に勉強タイム」の例
・中高生のみなさんへ:一緒に勉強する仲間でやる気を保とう
┗家族を「勉強仲間」にする
┗友だちと「同じ時間に勉強する」約束をする
・親子で一緒に勉強するときの注意点
┗「見張る」時間にしない
┗子どもの勉強内容に口を出しすぎない
┗結果よりも「続けたこと」を認める
・よくある質問
┗仕事が忙しくて、一緒に勉強する時間がとれません
┗高校生の子どもにも効果がありますか?
┗「一緒にやろう」と誘っても断られてしまいます
・まとめ:「勉強しなさい」より「一緒にやろう」で、やる気が続く

「勉強しなさい」と言っても子どもが勉強しない理由

子どもの将来を思うからこそ、つい口にしてしまう「勉強しなさい」。しかし、この言葉で子どもが前向きに勉強を始めることは、あまり多くありません。まずは、その理由を見ていきましょう。

人は指示されると、かえってやる気をなくしやすい

人には、自分の行動を自分で決めたいという気持ちがあります。そのため、他人から「〇〇しなさい」と指示されると、反発したくなったり、やる気がしぼんでしまったりすることがあります。心理学では、こうした反応を「心理的リアクタンス」と呼びます。

「ちょうど今からやろうと思っていたのに、言われたらやる気がなくなった」という経験は、多くの人にあるのではないでしょうか。中高生は自分で決めたい気持ちが特に強くなる時期なので、指示の言葉は逆効果になりやすいのです。

「自分だけやらされている」と感じてしまう

子どもが勉強している間、保護者はテレビを見たりスマホを触ったりしていると、子どもは「自分だけがやらされている」と感じやすくなります。勉強が「させられるもの」になると、やる気は長続きしません。

大切なのは、勉強を「子どもだけの仕事」にしないことです。その手がかりになるのが、次に紹介する実験です。

同じ行動をすると協力関係が生まれる|スタンフォード大学の実験

スタンフォード大学のスコット・ウィルターマスらは、人が「同じ行動」をとることが、協力し合う気持ちにどう影響するかを実験で調べました。

3つのチームで歌を聴いた実験

実験では、参加者を3つのチームに分け、それぞれ違う条件で同じ歌を聴いてもらいました。

・Aチーム:曲が流れている間、歌詞を黙読する
・Bチーム:曲に合わせて、みんなで一緒に歌う
・Cチーム:一人ひとりヘッドフォンをして、違うテンポの曲を聴きながら歌う

その後、報酬を自分だけのものにするか、チームのために協力するかを選ぶ課題に取り組んでもらいました。すると、AチームとCチームに大きな差は見られなかった一方で、みんなで一緒に歌ったBチームは、チームのために協力する選択をする傾向が強かったと報告されています。

実験

同じ行動が「仲間意識」とやる気を生む

この実験から、「同じ行動をとっている」と感じると、人は協力関係を築きやすくなると考えられます。そして、協力関係ができると、その後の作業にも前向きに取り組みやすくなります。

これを家庭に置き換えると、保護者が「勉強しなさい」と言うよりも、保護者自身も一緒に勉強するほうが、子どもとの間に「一緒に頑張る仲間」という関係が生まれやすいということです。子どもにとって勉強が「やらされるもの」から「一緒に取り組むもの」に変わると、やる気も続きやすくなります。

親子で一緒に勉強する方法5選

「一緒に勉強する」といっても、保護者が数学や化学を学び直す必要はありません。ここでは、どの家庭でも今日から始められる方法を5つ紹介します。

方法1:保護者も「自分の勉強」を始める

保護者の勉強は、子どもと同じ内容である必要はありません。料理本を読んで新しい献立を考える、買ったまま読んでいなかった本を開く、新聞をじっくり読む、仕事に役立つ資格の勉強をするなど、興味のあることなら何でも構いません。

大切なのは、保護者も「何かを学んでいる姿」を見せることです。普段あまり見ない保護者の勉強姿は、子どもにとって新鮮な刺激になります。

方法2:同じ時間・同じ場所で勉強する

同じ行動をとる効果を高めるには、時間と場所をそろえるのがおすすめです。たとえば、「夜8時から9時はリビングで勉強タイム」と決めて、親子で同じテーブルに向かいます。

テレビを消し、スマホを別の場所に置くなど、家族全員が集中できる環境を作ることもポイントです。同じ空間で黙々と取り組む時間は、言葉以上に「一緒に頑張っている」という感覚を生みます。

方法3:「一緒にやらない?」と誘う声かけをする

勉強を始めるきっかけは、指示ではなく「誘い」の言葉にしてみましょう。たとえば、次のような声かけです。

「そろそろ勉強の時間だね。お母さんもちょうど料理の本を買ったから、今から一緒に勉強してみない?」

こう声をかけられたら、子どもは「え、お母さんも勉強するの?」と驚くかもしれません。「様子見がてら、ちょっと一緒にやってみるか」と、ほんの少しの間でも同じ行動をとることが、協力関係の第一歩になります。

方法4:お互いの「今日の成果」を話す

勉強タイムが終わったら、「今日はこんなことを学んだよ」とお互いに話してみましょう。保護者が先に「新しい料理のレシピを3つ覚えた」と話せば、子どもも「数学の問題を10問解いた」と話しやすくなります。

学んだことを言葉にすると、記憶にも残りやすくなります。子どもの成果を聞いたら、点数や量よりも「頑張ったね」「そんなことまで分かるようになったんだ」と、取り組みそのものを認めてあげてください。

方法5:短い時間から始めて、続けることを目標にする

最初から1時間一緒に勉強しようとすると、親子ともに負担になってしまいます。まずは15分、週に2〜3回からでも十分です。

大切なのは、長い時間やることよりも、続けることです。親子の勉強タイムが習慣になれば、子どもは「この時間は勉強する時間」と自然に切り替えられるようになります。

「勉強しなさい」に代わる声かけ例

つい「勉強しなさい」と言いたくなったときに使える、言い換えの例を表にまとめました。指示ではなく、「一緒に」「誘う」「認める」言葉を意識してみてください。

場面言いがちな言葉言い換え例
勉強を始めてほしいとき早く勉強しなさいそろそろ一緒に勉強タイムにしない?
スマホやゲームをしているときいつまでスマホ見てるのあと何分で終わりにする?終わったら一緒にやろう
テスト前テスト前なのに大丈夫なの?テストまでの予定、一緒に確認してみようか
勉強を終えたときそれだけしかやってないの?今日はどんなことをやったの?教えてほしいな
成績が下がったときだから言ったでしょう次はどこから一緒に見直そうか

声かけで大切なのは、言葉そのものよりも、子どもを「一緒に頑張る仲間」として扱う姿勢です。うまくいかない日があっても、責めずに次のチャンスを待ちましょう。子どもが勉強しない理由や対応について詳しく知りたい方は、中学生が勉強しない理由と親の対応もあわせてご覧ください。

親子の「一緒に勉強タイム」の例

平日の夜に、親子で一緒に勉強する時間を作る場合の例を紹介します。家庭の生活リズムに合わせて、無理のない形にアレンジしてみてください。

時間子ども保護者
19:55スマホを決めた場所に置くテレビを消し、スマホを置く
20:00〜20:25学校の宿題・ワーク読書・料理本・新聞など
20:25〜20:30休憩(お茶を飲むなど)休憩(一緒にひと息つく)
20:30〜20:55テスト範囲の復習・暗記資格の勉強・仕事の学び直しなど
20:55〜21:00今日やったことを話す今日学んだことを話し、子どもの取り組みを認める

25分取り組んで5分休む、というリズムにすると、集中力が続きやすくなります。毎日できなくても、「週に3日はこの時間」と決めておくだけで、勉強の習慣づくりにつながります。

中高生のみなさんへ:一緒に勉強する仲間でやる気を保とう

ここからは、中高生のみなさんに向けたメッセージです。勉強のやる気は、一人で保ち続けるのが難しいものです。だからこそ、「一緒に勉強する仲間」をうまく活用しましょう。

家族を「勉強仲間」にする

「家族に勉強しなさいと言われるのが嫌だ」と感じているなら、逆に自分から「一緒に勉強しない?」と誘ってみるのも一つの方法です。家族が同じ時間に何かに取り組んでいると、不思議と自分も集中しやすくなります。

勉強が終わったら、「今日は英単語を30個覚えた」など、やったことを家族に話してみましょう。人に話すことで、自分の頑張りを確認でき、次の日のやる気にもつながります。

友だちと「同じ時間に勉強する」約束をする

友だちと「夜9時から1時間は勉強する」と約束して、それぞれの家で取り組むのもおすすめです。離れていても同じ行動をとっていると思えば、「自分も頑張ろう」と思えます。

ただし、通話やメッセージをつなぎっぱなしにすると、おしゃべりに夢中になってしまうこともあります。勉強中は連絡を控え、終わったあとに「今日はこれをやったよ」と報告し合う形にすると、集中と仲間意識の両方を保てます。勉強のやる気を高める方法は、勉強のモチベーションを上げる方法でも紹介しています。

親子で一緒に勉強するときの注意点

親子で一緒に勉強することには多くの良さがありますが、やり方によっては逆効果になることもあります。次の3つに気をつけましょう。

「見張る」時間にしない

一緒に勉強しているつもりでも、保護者が子どものノートをのぞき込んだり、「ちゃんとやってる?」と何度も声をかけたりすると、子どもは「見張られている」と感じてしまいます。保護者は自分の勉強に集中し、あくまで「同じ時間に、それぞれが学ぶ」ことを意識しましょう。

子どもの勉強内容に口を出しすぎない

子どもから質問されたときに一緒に考えるのはよいことですが、頼まれていないのに勉強のやり方を細かく指示するのは避けましょう。勉強の進め方は、できるだけ子ども自身に決めてもらうことで、「自分で頑張っている」という気持ちが育ちます。

結果よりも「続けたこと」を認める

親子で勉強を始めると、すぐにテストの点数が上がることを期待してしまうかもしれません。しかし、成績に表れるまでには時間がかかります。点数が思うように伸びなくても、「今週も一緒に勉強タイムを続けられたね」と、続けたことそのものを認めてあげましょう。

結果だけで評価されると、子どもは「頑張っても意味がない」と感じやすくなります。取り組みを認めてもらえる経験が積み重なることで、子どもは勉強に対して前向きな気持ちを持ち続けられます。

よくある質問

仕事が忙しくて、一緒に勉強する時間がとれません

毎日でなくても大丈夫です。週末の30分だけ、朝食後の15分だけなど、できる範囲で始めてみましょう。時間がとれない日は、「今日はこんな本を読んだよ」と学んだことを話すだけでも、子どもにとって良い刺激になります。

高校生の子どもにも効果がありますか?

高校生になると、一緒の部屋で勉強することを嫌がる場合もあります。その場合は、同じ時間帯にそれぞれの部屋で勉強する、休日にカフェや図書館で一緒に過ごすなど、距離感を調整してみてください。保護者が学び続ける姿を見せること自体が、子どもへの良いメッセージになります。

「一緒にやろう」と誘っても断られてしまいます

最初は断られても、無理に誘う必要はありません。保護者が楽しそうに勉強している姿を見せ続けることで、子どもが自分から興味を持つこともあります。焦らずに、子どものタイミングを待ちましょう。

家庭だけで勉強の習慣をつけるのが難しいときは、外部の力を借りるのも一つの方法です。坪田塾では、講師が一人ひとりの性格に合わせた声かけで、子どもが自分から勉強に向かえるようサポートしています。自宅から指導を受けられるオンライン校もあります。

まとめ:「勉強しなさい」より「一緒にやろう」で、やる気が続く

子どもに勉強してもらうために大切なのは、「勉強しなさい」と指示することではなく、保護者も一緒に学ぶ姿勢を見せることです。最後に、ポイントをおさらいしましょう。

・「勉強しなさい」は、かえってやる気を下げてしまうことがある
・同じ行動をとると協力関係が生まれ、前向きに取り組みやすくなる
・保護者も自分の勉強を始め、同じ時間・同じ場所で取り組む
・指示ではなく「誘う」「認める」声かけを意識する

まずは今日、「一緒に勉強タイムにしない?」と声をかけてみてください。親子で同じ時間を過ごすことが、子どもの勉強習慣とやる気を支える力になります。

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