こんにちは。都立大学駅前校、講師の名倉です。
新しい出会いがいっぱいの「春」…いかがお過ごしでしょうか??
さてさて本日は、英語講師らしく英語文法の「態(voice)」という話をしたいと思います。
「や~…勉強の話かぁ…」と思わず、ぜひぜひ最後までお目通しくださいませ(笑)。
つい先日、春期講習が無事に終わりました。
まずは、生徒の皆さん、お疲れさまでした!
その講習のなかで、一度は絶対目にした文法…「受動態」。
「be動詞+過去分詞(p.p.)」で表す、例のアレです(笑)。
もちろん、訳としては「~される」となりますが、その逆はなんでしょう?
…そう、「能動態」と言われる普通の文「~する」という訳の文章ですね。
しかしながら、実は「能動態」と「受動態」の他にも、「態(voice)」が存在するのを知っていますか?
その「態」とは…「中動態(middle voice)」です。
たとえば、I was born. っていう文章がありますよね?
この文は、「私は生まれた。」というように、「受動態」で訳します。
ただ、よくよく考えてみると、
「生まれる」のように「する/される」に分類することが難しい行為は…はたして「受動態」に分類して良いのか?
と、改めて気付くかと思います。
かといって、”自発的”な「能動態」というわけでも、決してありませんよね。
つまり、ここで上記の例文は「そうか…中動態なのか…!」と、わかるわけです。
かつての言語(古典ギリシア語など)では、
「能動態」と「受動態」という構図ではなく、「能動態」と「中動態」という対立でした。
その「中動態」が、時代の変遷とともに形が変わり、最終的に現在の「受動態」へとなっていったのです。
…と、ここまでツラツラと長めの話が続いてきましたが、結局は何が言いたいのかというと、
「新しい世界の存在を知ることはとても大事だ」ということです。
私たちは、物事を二項対立で考えます。
たとえば、「賛成? or 反対?」のように。
それは、もちろん便利だしシンプルに解釈しやすいから当たり前のことなのですが、
一歩引いて考えてみると、別の世界があることも念頭に置かなければなりません。
スケールを大きくしてみると、「資本主義? or 共産主義?」のような話になり、
「共産主義だとうまくいかなかったから…やっぱり資本主義だね!」みたいな短絡的な思考になってしまいます。
先ほどの「態(voice)」の話で「中動態→受動態」となったように、
「現在の資本主義がベースになっている背景」を考えなければいけません。
なので、
「新しい世界を知る」ために生徒たちだけでなく大人も常に日々の勉強を続けていく必要がある、ということなんですね!
それでは、寒暖差の激しい日が続いていますので、皆様お身体に気をつけて日々お過ごしくださいね~^^