こんにちは、星ヶ丘校の岡村です。
学校でも⽂化祭や体育祭が終わり、勉強に集中できる、
気候的にも過ごしやすい時期になってきました。
私たち坪⽥塾では毎週⽊曜⽇に講師研修という形で⽇々知識や技術の研鑽をしています。
そんな研修の中で、先⽇、
⼤脳⽣理学の権威である久保⽥競 京都⼤学名誉教授にお話を頂きました。
私たちは久保⽥教授の『⾚ちゃん教育――頭のいい⼦は歩くまでに決まる』
という著書を読んでから研修に挑みましたが、
特に興味深くて今のみなさんにもぜひやってもらいたいと感じたことが
「⾳読」の実践です。
思い出してもらいたいのが⼩学校や中学校の頃のことです。
国語や英語の本⽂を授業中にみんなで⾳読したり、
3回⾳読してくるのが宿題になったりしませんでしたか?
私は正直なところ「⾳読ってめんどくせーな」とか「恥ずかしいな」
という思いの⽅が強くて、あまりまじめにやっていなかったような思い出があります。
そんな⾳読ですが、実は学習・記憶における効果がとても⾼いということが分かりました。
「覚えられなーい!」「集中できない!」という⼦には簡単に実践できて、
かつどこでも(ちょっと場所は選ぶかもしれません…)できる⼿法です。
⾳読は「視覚」「聴覚」「体性感覚(⼝、顔などの筋⾁)」を使います。
よく「五感を使うと良い」という話を聞きますよね?
その中の3つを使っているわけです。これだけで効果がありそうな気がしませんか?
しかし、私たちが普段よくやるのは「黙読」です。
単純に⽬で追いながら「黙読」していると、
実は⽬は動いているけれど頭の中は違うことを考えている、ということもありえます。
ぼーっとただ何となく読んでしまい(読むというよりは、⽬が動いているだけかもしれない)、
すると思考しなくなり、最後は寝落ちしている…そんな経験ありませんか?
それが⾳読をすると、⽬で⽂を追いながら発⾳しなければならないし、
発⾳した⾃分の声が⽿から⼊ってきます。
すると、⽬の前にある⽂章に集中するので眠くならない!
また、「できるだけ速く」⾳読することも効果があります。
これに加えて⾳読時に「⽴って」⾳読することでより効果が⾼まるということです。
「⽴って」「速く」「⾳読」しながら寝てしまうことはまず無い!
これで寝たらツワモノですよ!!!
これらの背景には脳の機能が関わってきます。
⾳読をすることによって脳の記憶や感情を司る前頭前野を鍛えることができるからです。
前頭葉のワーキングメモリが、
どんどん⼊ってくる情報を処理しようとしてフル回転するので、
前頭前野が活性化するのです。
⾳読をすると、⾃分の弱点も⾒えてきます。
どういうことかというと、⾳読して読み⽅が詰まった所や読み⽅が分からない所というのは、知識が曖昧なところである可能性があります。
こういう⾃己チェックもできます。黙読だと何となくスルーしてしまいがちです。
「あ、これ読みづらいな」とか
「読み⽅が分からないな」というものは辞書を引いたり⽤語集で調べたりしてみましょう。
英語であれば、単語が読めない→⾳として認識できていないから
正しい意味や発⾳が分からないことだといえます。
数学はちょっと⾳読しづらいところがありますが、
解法を声に出して読んでいくと、よく分からない⽤語や根拠が出てくるはずです。
過ごしやすい季節ですが、受験の⽇程も⽇に⽇に迫ってきています。
やらなきゃいけない、けれども頭に⼊ってこない…とか、
集中できない…とか、⾊々な誘惑が…とか、そんなときは、
秋の夜⻑に⾳読をしながら学習してみてはいかがでしょうか?
ぜひご家族でも「あ、今⾳読しているなぁ。勉強頑張っているな」
とご理解頂きながら協⼒してもらえると良いと思います。
参考文献
久保田競・久保田カヨ子(2015)『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』ダイヤモンド社.