こんにちは、ビリギャルの“子”別指導塾 坪田塾 です。
子どもが不登校になると、親はいろいろなことが心配になりますよね。休んでいるあいだに授業についていけなくなって、進学できなくなるのでは…という不安もあるのではないでしょうか。この記事では、不登校中の勉強はどうすればよいのか、親の接し方はどうするべきなのかを解説します。
目次
不登校の現状を理解する
中学生の不登校は年々、増加傾向にあると言われています。子どもが置かれている状況を理解するには、まず不登校の現状やその理由を理解しておきましょう
中学生の不登校児は増えている
文部科学省の「令和2年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、不登校になる子どもは、中学生では年々増加していて、高校生になると次第に減少しています。
学年ごとの傾向としては、まず中学1年生・2年生は毎年1,000~3,000人規模で増加。中学3年生も平成30年から令和元年にかけては増加しているものの、令和元年から令和2年にかけては横ばいです。そして高校生になると、年々減少していることがわかります。
出典:文部科学省「令和2年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」
不登校になる理由
上記と同じ調査によると、中学生が不登校になる要因でもっとも多いのは、本人の「無気力・不安」で、不登校児全体の47.1%を占めます。次いで多いのが、「いじめを除く人間関係」で12.5%です。平成30年度の同調査では高校生の不登校理由についても統計が出ていて、全日制高校で不登校となっている要因は、「無気力」の傾向があると答えた生徒が31.7%と最も多いようです。次いで「不安」の傾向がある生徒が16.6%、「学校における人間関係」に課題を抱えている生徒が18.7%と続きます。
そのほか、勉強についていけないことを不安に感じて、不登校になっている子どももいます。学校は集団教育が基本で、1つのクラス30~40人の生徒が一緒に勉強をします。不登校にまでならなくても、1人の先生が、学力や性格、目的などが異なる30人以上の生徒に同じ話をする教え方に違和感を持つ子は多く、そのシステムにぴったり合っている子のほうが少ないのは、むしろ当たり前なのかもしれません。
勉強しない、やる気がない、遅れてしまうのでは?親ができることは?
不登校の特徴の一つに、毎日決まった時間に通学する生活と比較すると、どうしても生活リズムが崩れやすい、通学している時のような学習習慣の維持が難しい、生活のすき間にスマホやゲームが入り込みやすい、といった傾向があります。他の子は学校で勉強をしていると思うと焦ってしまいますし、休んでいることで勉強がわからなくなり、将来に差し障りがあるのではないかと、心配になるのは親としては当然のことです。とは言え、不登校が社会現象化している現状を考えても、いたずらに「やる気を出せ」「学校に行け」とアプローチしたところで効果がないことは自明ですよね。では、学校に行かない生活の中でも、子どもの勉強のやる気を引き出すには、親としてどのようなサポートをしてあげればいいのでしょうか。
不登校の7段階 子どもの今の状況をしっかり見る
不登校になるところから、解消して学校に通うようになるまでには7つの段階があると言われています。
<第一段階> 不登校開始期
学校に行こうとしますが、身体が上手くついてこなくなります。頭では「行かなくちゃ」と思っていても、身体が言うことを聞かない段階です。
<第二段階> 悩み苦しむ時期
学校に行こうとしても行けない状況に、イライラしたり感情的になったりします。暴れたり怒鳴ったりして、感情を発散することもあります。
<第三段階> エネルギー補充(無為)期
部屋を暗くして一日中こもっていたり、寝ていたりと、無気力に過ごすようになります。何もせず、ただエネルギーを補充する時期です。
<第四段階> エネルギー再活性期
好きなこと・やりたいことならできるようになり、それにのめり込みます。昼夜逆転の生活になることもあるので、生活のリズムに注意が必要です。
<第五段階> 再活動希望期
新しいことにチャレンジする意欲がでてきます。「ひまだなぁ」「○○しようかな」などの発言が出るようになり、できなかったことにも再チャレンジします。
<第六段階> リハビリ(不安定活動)期
学校に休み休み通い始めるなど、徐々に活動を始めます。
<第七段階> 完全登校 社会復帰期
安定して登校するなど、社会生活ができるようになります。
このうち、不登校が始まる第一段階が「行き渋り期」。行かなければと思いながらも行くことができず、自分でも思うようにならなくて荒れるのが「混乱期」。家で過ごすことが定着した第三段階と第四段階が「慢性期」。次第に活動を再開して通学するようになるまでの、第五段階から第七段階が「回復期」です。
大事な充電時間だととらえる
不登校の子どもへの接し方を考えるには、まず子どもが今どの段階にあるのか、この先どのような段階があるのか、その把握から始めることをおすすめします。段階がわかれば、その時々の状態に合わせた声掛けやサポートを考えられますし、次の段階への見通しがつくことで、親自身が闇雲な不安から解放されて、落ち着いて子どもに接することができるようになります。
「エネルギー補充期」という段階がある通り、子どもが学校に行かない不登校期間は、決してただの無駄な時間ではありません。次に進むために必要不可欠な、大事な充電時間だと考えたいですね。
勉強の遅れは取り戻せる
サポートを考えていく上で重要なのは、勉強の遅れは取り戻せる、という事実を子どもと親が共有することです。不登校で授業を受けていないと勉強がどんどん遅れてしまうように感じますが、不安な気持ちや人間関係に関する悩み、あるいは勉強したくないという思いを解消しないまま無理やり通学をしても、結局勉強に身が入ることはありません。特に第一段階~第二段階では子どもも混乱しているので、周りの声が届きづらい傾向にあります。勉強の遅れは取り戻せるので、焦ってあわてて無理強いするのではなく、エネルギーが補充されて意欲が芽生えるのに合わせて、勉強へのやる気を取り戻していくことが大切です。
こちらの記事も参照
「自称「元ひきこもり」のMさんが、塾に通うようになり、塾生の中でトップクラスの勉強量を誇るまでになった話」
日々のルーティーンなど、生活のリズムや環境を整える
もうひとつ重要なのは、時間の制約がないと生活リズムの維持は難しい、という事実です。毎日決まった時間に通学する生活では自然と生活リズムが刻まれますが、不登校の場合、生活習慣が乱れがちという側面があることは否定できません。生活リズムを整える…大人であっても、自分一人で完璧に管理するのは難しいですよね。
たとえば、決まった時間に塾へ行く、というのは生活習慣作りでよく見られる取り組みです。朝から夕方まで学校に行くのは難しい、そもそも学校に不安や悩みの原因がある、というような状況でも、短時間の塾ならまったく問題ないという子どもはたくさんいます。
「人間とは習慣の生き物である」という言葉があるように、長時間やることを考えるよりも、短い時間でも毎日やることが重要です。毎日の習慣に別の習慣をくっつけることで、少しずつ新しい習慣が形作られていきます。
毎日できることで子どもにとってハードルが低いことから初めて、徐々に習慣を身に着けていくことで、生活リズムを整えていくと良いでしょう。
やりたいこと、勉強する意味を見つける
やりたいことや興味の対象がはっきりしていれば、勉強や努力の意欲は自然と湧くものです。しかし、中高生でやりたいことや将来の夢がはっきりしている子どもは、全体の2割程度です。自身の子ども時代に照らし合わせても、この年代から将来の夢や具体的なビジョンを持っていた方は少数派だったのではないでしょうか。ほとんどの子どもは、漠然とした将来と曖昧な目的のもとで、毎日たくさんの勉強や課題に取り組んで過ごしているというのが実情です。
今、学校に行く、勉強をする意味が見つけられないのなら、少し先に目を向けて、将来どんなことをやりたいか、どんなものに興味があるのかを考えてみるのはどうでしょうか?例えば大学であれば、興味のあるテーマを深堀して学べるいろいろな研究室があります。ファッションや調理などに興味があるなら技術を身につけられる専門学校もあります。自分が将来やりたいことが漠然とでも見えてくれば、そこに向けて今やるべきこと、やっていることの意味を見出すことができます。
不登校をひとつの機会と位置づけて、“これから”について親子で一緒に考えるのもいいのではないでしょうか。その際は、親として上から言葉を投げかけるのではなく、その子の性格や悩み、不安に寄り添って「子どもの言葉」を引き出し、「子どもの言葉」で一緒に話をするのがポイントです。不登校は無駄な時間、ということは決してありません。これが今必要なこと。そう捉えて、愛情いっぱいで子どもに接してください。
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勉強の遅れは取り戻せる 不登校中の勉強方法を知っておく
今の時代、自学自習の方法はいろいろあり、そのための便利なツールも山のようにあります。暗記系のツールは学習効果を高めて効率的に覚えることができるのでおススメです。一方で、ツールだけでは解決しづらい要素がある、ということも知っておきましょう。その中には、勉強を進めていく上で特に大切な2つのポイントも含まれています。
一つ目は、そもそも「何を勉強するべきか?」、というポイントです。一般的に勉強を不得意とする子どものケースを探っていくと、本人の学力とテキストのレベルが合っていない、もしくは勉強の「やり方」がわからない、という原因に辿り着きます。仮に、サッカーを上達させたいのに野球の素振り練習をしている子がいたら、すぐに指摘できますよね?ところがこれ、勉強となると、ミスマッチに気付くのは案外難しいのです。ツールはもちろん「合ってないよ」なんて指摘してくれません。「何を勉強するべきか?」を子どもだけで見極めるのは難しいので、親であったりプロのサポートに頼るのがいいでしょう。
もう一つ、ツールだけで解決するのが難しいのは「適切な管理」です。やるべきことが決まっていても、自分でしっかりと進捗を管理して勉強を進めることはなかなか大変です。まして生活のリズムもコントロールしながらとなると、さらに難易度が上がります。以上の2つのポイントを踏まえて、ここでは、学校以外で出来る勉強法と、不登校との相性を解説します。
自主学習、通信教育
市販の参考書や問題集、通信教育などを使って、一人で取り組む勉強です。最近では学習用のアプリや動画もあるので、そういったものを活用するのもいいでしょう。手軽に取り掛かれて、自分のペースで進めることができるのが、メリットですが、反面、「やる気がない」「続かない」という子どもの場合は、一人で継続的に行うのが難しい方法と言えます。
不登校の状況にもよりますが、子どもの不安や思いに寄り添って、適切に進捗を管理してくれるサポーターがいると心強いですね。
インターネット学習塾、オンライン家庭教師
インターネットを利用したオンライン学習塾や、オンライン家庭教師も増えています。画面越しであっても、子どもと丁寧に対話し、「動機付け」がしっかりとできるツールであれば、子どもはやる気になるので効果的に学習できるでしょう。しかし、映像授業を見るだけの「インプット」型の指導では、単に動画を見るのと同じになってしまうので、ここでも管理の問題が浮上します。つまり、どのツールを選ぶかが重要なのです。
坪田塾のオンライン個別指導は、子ども一人ひとりに合わせた声掛けと専用のカリキュラムで子どものやる気を引き出しつつ、プロの講師が学習の進捗を適切に管理します。
家庭教師
その子に合わせて、わからないところをわかるまで教えてもらえるのが家庭教師のメリットです。自分のペースで学習を進めることもできて、やるべき勉強内容も明確な子どもが、わからない箇所をピンポイントで潰していく…そういったケースでは有力な選択肢になります。
一方、学習習慣がなかったり、基礎的な学力が足りていない状態からだと、焼け石に水で、家庭教師による学習効果は残念ながら限定的と言えます。その場合は、「勉強を教えてもらう」より、「勉強のやり方を教えて」もらい、自分で学べるようになる「自習力」を高める指導こそが、真の意味で重要といえるでしょう。
個別指導塾
個別指導塾は、人との接点がある・自然と生活リズムを維持できる・その子の学力に合わせた指導が期待できるという点で、不登校の子どもに適した学習の選択肢です。ただし、先生との相性は重要で、折り合いが悪いと塾に行かなくなってしまうリスクもあるので注意が必要です
坪田塾が行っているのは「子」別指導。教育心理学に基づいて子どもの性格タイプを9つに分類し、一人ひとりの特徴・個性に合わせたアプローチと声がけで勉強へのモチベーションを引き出します。例えば、曖昧な指示に不安を覚えやすい『堅実家』タイプの子には、「1日〇ページずつ進めればOK。半年後にはこのレベル、1年後にはここまで進むことができるよ」と具体的な手順で誘導します。他方、明るい未来を見せてあげるとモチベーションが上がる『楽天家』タイプの子には、「1年がんばったらみんなにすごい!どうやったの?私にも教えて!と言われまくるよ」と、細かいことは後回しにして鼓舞します。講師全員がその指導をできるようにトレーニングされているので、自然と子どものやる気を引き出し、「先生と合わない…」という状況が起きづらいのが指導の特徴です。
小説「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に合格した話」(通称・ビリギャル)は、坪田塾で実際に起きた話を元にしたノンフィクション作品です。「子」別指導を行うからこそ、“ビリギャル”のような「奇跡」が起きるのです。
集団学習塾
学校に近い環境、学校と同じ一斉型の指導形態である集団学習塾は、不登校の子にとってはハードルの高い環境です。塾側に不登校への配慮がないケースもありますし、学力に合わせた個別サポートも期待しづらいことから、本人が希望しない限り、不登校の子どもを集団学習塾に通わせるのは難しいと言えます。集団に慣れさせるために集団学習塾へ通うというのも、本質的な解決にはなりません。
教育支援センター
不登校児が学校に戻るときに、勉強の遅れで躓かないように勉強を教えてくれます。それだけではなく、集団生活に適応するためのサポートなども行います。「学校に戻る」ことを前提としているので、子どもが学校に戻りたいと思っていない段階では、逆に負担になることもあります。適切なタイミングを見極めたうえで検討するのが良いでしょう。
フリースクール
柔軟な対応をしてくれるので、子どもへの負担も少なく、勉強の機会が得られる点で優れています。スクールによって方針がかなり異なり、学校復帰をサポートするところもあれば、復帰を目指すのではなく、そこで過ごすことを目的とするところもあります。また、学校によっては、フリースクールに登校することで出席扱いになるところもあります。色んな特色があるので、目的や子どもとの相性、制度などをよく調べて、子どもに合ったところを選ぶ必要があるでしょう。
不登校でも進学できることを理解しておく
不登校になると、「勉強が遅れてしまい、進学の先行きが不安」と心配の種は尽きないでしょう。しかし、決して悲観する必要はありません。
まず私立高校の場合はいろいろな選択肢があることを知っておきましょう。学力に不安があるなら、受験科目が少ない私立高校を選ぶのもいいでしょう。通信制高校は、面接や作文だけで入学できる学校もありますし、同様に定時制高校も、入試のハードルが低い傾向にあります。東京都には不登校や高校中退者向けに都が設置したチャレンジスクールもあります。お住いの自治体の教育委員会に問い合わせてみてください。
通信でも定時制でも、高卒の資格さえあれば大学受験資格は得られます。仮に高校に行かなかったとしても、高校卒業程度認定試験(高認)を受けることで大学は受験できます。一番大切なのは、社会人になってしまえば、「どこの高校に通ったか」「不登校だったかどうか」などはまったく問題にならないということです。最終学歴としての大学を見据えることができれば、不登校であることで、必要以上に将来を悲観することはないのです。
変わりつつある時代に
IT化、国際化が進み、いまはすさまじいスピードで社会が変化していく時代です。もはや学校に行って良い成績を取っていれば大丈夫、という時代ではありません。また、学校以外にも学びの場はいろいろあり、究極的には学校に行かないという選択肢もあり得る時代になってきています。
大切なのは、子どもの判断を尊重し、子ども一人ひとりに合わせた指導と、子どもが安心して勉強できる居場所を見つけることです。最後に、いまの時代に合わせた子どもの居場所の探し方を解説します。
親世代の常識のみではからない
いま中高生の子を持つ親世代が学生だった頃は、有名な大学を出て、大きな会社に就職すれば人生は安泰、という価値観がまだまだ根強くありました。
しかし、現代は違います。能力主義が浸透し、雇用の流動性は上がり、終身雇用制は過去の遺物となりつつありますよね。親世代の持つ、わずか20~30年前の常識であっても、もう測れない時代になっているのです。
むしろ、親世代の常識に従っていては、生き抜いていけないということを理解しておきましょう。先の見えない時代だからこそ、自分で考え、自分で動ける人間になる必要があるのです。「きちんと学校に通う」という“常識”について、いま一度、子どもと親が一緒になって考えてみても良いでしょう。
理解ある第三者を巻き込んで
不登校の子どもの居場所は、必ずしも家だけとは限りません。それが学校なのか塾なのかフリースクールなのかはケースバイケースですが、子どもが興味を持ち、居心地がいいと思える場所を探すことが大切です。親は「自分が何とかしなければ」と思い込むのではなく、子どもが自分の居場所を選べるように、選択肢を探して提示し、子どもと一緒に検討してみましょう。学校の先生や、塾の講師、教育支援センターの職員など、理解ある第三者を巻き込んで、子どもにとって何がいいのかを探すことも大切です。
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映画『ビリギャル』でおなじみの個別指導塾!坪田塾とは
坪田塾は中学校1年生~高校3年生、高卒生(浪人生)を対象にした個別学習塾・予備校です。首都圏(東京・埼玉・千葉)、名古屋、大阪、兵庫に22校舎、日本全国に指導を提供するオンライン校を加えて全23校舎を展開しています。
- 坪田塾の特徴の1つである反転学習は、学んだことをアウトプットすることで、単に「わかった」で終わらず、実際に「できる」状態まで引き上げることができる、とても効率的な学習方法です。
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