
定期テスト前日は何する?直前の勉強法と過ごし方を解説
定期テスト前日になると、「テスト範囲の内容を覚えきれていない」「苦手な問題が出たら解けないかもしれない」など、不安や焦りを感じる人は多いものです。もう一度勉強し直した方がいいのか、睡眠時間を確保したほうがいいのか、それとも新しい内容に手を出すべきなのか、何をすべきか分からずに落ち着かないことも多いのではないでしょうか。
実は、テスト直前の過ごし方ひとつで、テストの結果に良い影響を与える可能性が大幅に高まると言われています。
本記事では、定期テスト対策として、テスト前日にやるべき具体的な勉強方法や科目別のチェックポイント、さらに勉強以外の過ごし方について、詳しく解説します。
目次(クリックで開閉)
・テスト前日にやるべき勉強とは
┗基礎の見直しで得点アップ
┗苦手に焦点を当てた復習
┗夜寝る前に暗記の最終チェック
┗新たな勉強を始めるのはNG
・【科目別】テスト前のチェックポイント
┗【国語】語彙力を増やして1点でもプラスに
┗【数学】公式を使いこなせるように演習&パターン化
┗【理科】用語の暗記と公式の使い方をマスター
┗【社会】年号や用語は確実に暗記する
┗【英語】単語と構文を文脈にあわせて覚える
・テスト前日の過ごし方
┗睡眠時間は削らない
┗食事と休息で体を整える
・いよいよテスト当日!直前にやるべきこと
┗不安な部分だけテスト前に見直す
┗緊張を和らげる
┗英ポジティブな考え方になるためには
テスト前日にやるべき勉強とは
テスト前日は、これまでの学習の積み重ねを整理し、自信を持って本番に臨むための準備をする日です。前日になって新しい情報をあれこれと詰め込もうとすると、内容を覚えきれなかったり、時間が足りなくなったりして、焦りや不安につながりかねません。テスト本番での失敗を減らすためにも、今できることを整理し、安心してテストに向かえるような勉強法を実践することが大切です。そうすることで、テスト当日に落ち着いて、普段通りの実力を発揮しやすくなります。
基礎の見直しで得点アップ
テスト直前になると、「もっと難しい問題に挑戦しておかないと」という焦りの気持ちが生まれる人も多いでしょう。しかし、解けない問題が多いと焦りや不安が増すばかりか、基礎学習の不足に気付けないなど、得点に結びつかないリスクもあります。
実は、最も得点につながりやすいのは、基礎問題を確実に正解することなのです。例えば、公式、基本的な単語や文法、標準的な問題のパターンなど、これらの基礎範囲をテスト本番でしっかりと正答できるだけで、全体の点数は大きく底上げされます。
【基礎の見直しの具体例】
・授業中に配られたプリントの基礎問題
・教科書の例題やワーク
・基本の公式集
これらをざっと見返し、「自分で理解できているか」「すぐに思い出せるか」をチェックしておくのがおすすめです。難問に時間をかけるのではなく、「これだけは絶対に落とさない」という基礎問題の確認に集中して取り組みましょう。
見返しの際には、「理解できているもの」には丸、「理解しているが少し不安なもの」には三角、「まだ理解しきれていないもの」にはバツといった印をノートなどにつけておくと良いでしょう。マーカーや付箋で色分けをするのも効果的です。理解の程度が一目で分かるようにしておき、理解が不十分な箇所は、丸になるまで繰り返し復習することが重要です。
苦手に焦点を当てた復習
テスト前日になると、「苦手な分野で点数を落とすのではないか」という不安が増す人は多いものです。苦手分野をそのままにしてしまうと、テスト本番でもミスをしやすく、失点につながってしまいます。だからこそ、短い時間でも良いので、苦手な単元に向き合うことが重要です。
ただし、苦手分野を完全に把握し、克服するためには、テスト直前の短い時間では足りないことがほとんどです。また、全ての苦手な学習内容に手を出そうとすると、「ここも理解できていない」「ここも分からない」と、焦りばかり増してしまう可能性もあります。
そのため、最低限、よく出題されるポイントだけは身につける意識で復習を行うことをおすすめします。
【苦手に焦点を当てた復習の具体例】
・数学の公式の使い方だけ再確認する
・英語の苦手な文法単元を1つだけ見直し、関連する単語もチェックする
このように、苦手を0から100にするのではなく、30点を50点に引き上げるようなイメージで、点数に直結する可能性の高い方法で、苦手対策に取り組みましょう。
夜寝る前に暗記の最終チェック
一般的に、寝る前の記憶は脳に定着しやすいと言われています。そのため、英単語や歴史の年号、理科の重要用語といった暗記系の学習は、寝る直前にチェックするのが効果的です。ただし、大量の新しい情報を詰め込みすぎると、脳がうまく整理できずに混乱し、かえって記憶があいまいになることもあります。そのため、テスト範囲のすべてを完璧に覚えなおそうとするのではなく、サラッと目を通す程度にとどめることをおすすめします。
【暗記の最終チェックの具体例】
・当日覚えた英単語リストを5分間だけ見直す
・年号だけを声に出して読む(音読する)などしてから寝る
記憶を定着させるためには、質の良い睡眠も大切です。学習内容を必死に頭に詰め込もうと集中しすぎると、脳が興奮して寝つきが悪くなることもあります。脳の負担にならないよう、「軽く思い出す」「なぞる」程度の記憶の整理に留め、リラックスしてぐっすり眠ることが、記憶の定着にプラスに働くでしょう。睡眠時の記憶定着も期待できます。
新たな勉強を始めるのはNG
テスト前日になると「あれもやっていない」「これも足りない」と焦り、新しい参考書や応用問題に手を出したり、覚えきれていない範囲を無理に詰め込もうとしたりする人がいます。しかし、前日に新たな勉強を始めると、情報量が増えすぎて混乱し、逆にテストへの不安が強くなるケースが多いです。
そのため、テスト前日は「今までやってきたことの最終チェック」に徹することをおすすめします。この時間は、自分の中にある知識をまとめ直し、必要な場面で使えるように整理する時間だと考えましょう。特に、自分が使い慣れているノートやプリントだけを見直し、安心感を持って本番に臨める状態を作ることが大切です。
定期テスト前日に、まとめノートを作ったり、教科書を最初から最後まで読んだり、ワークや問題集をすべて解き直したりする復習は、全範囲の復習ができ、理解できていない箇所をなくせるというメリットはあります。しかし、1日ですべての範囲を網羅するには、勉強量が多すぎて疲れてしまうことが考えられます。また、すべての復習を終えられず、徹夜で一夜漬けをすることになる可能性も。
テスト前日に「今までやってきたことの最終チェック」のみに徹するためには、それまでに目標としているレベルに到達するよう、テスト範囲の勉強に計画的に取り組んでおくことが非常に重要です。計画的な定期テストの勉強を進め方については、別の記事「定期テストの勉強法|効率よく高得点を取るコツとスケジュールの立て方」を参考にしてください。
【科目別】テスト前のチェックポイント
テスト直前に効率的に最後の追い込みをかけるためには、科目ごとにやるべきことを絞り、重点的に取り組む必要があります。科目によって特徴が異なり、効果的な勉強法も変わってくるため、しっかりとコツを押さえて確認しておくことが大切です。
ここからは、一般的なテスト直前の科目別チェックポイントを紹介します。
【国語】語彙力を増やして1点でもプラスに
国語では、語彙力がそのまま得点力に直結することが多い傾向にあります。特に漢字の問題や選択問題は、知識の有無が得点を左右するため、短時間で得点を伸ばしやすい箇所と言えるでしょう。
そのため、テスト直前は、教科書や問題集、ワークに出てきた重要用語や漢字の意味・使い方を最終チェックしておきましょう。事前にリストアップしておき、意味を声に出して説明してみる(音読する)のがおすすめです。時間をかけずに、1語10秒くらいでテンポ良く進められるようになると、本番での正答率がアップします。また、意味がしっかりと理解できていれば、その用語を使った短い例文を作れるはずです。例文が作れるかどうかをチェックし、作れない場合は再度意味を見直すことで、「覚えたつもり」になっていた部分まで確実に記憶に定着させることができるでしょう。
【数学】公式を使いこなせるように演習&パターン化
数学では、問題を見た瞬間に使う公式が頭に浮かぶことが最も重要です。公式を思い出すのに時間がかかると、ミスが増えるだけでなく、時間内にすべての問題を解答できなくなることもあります。そのため、公式を反射的に使える状態にできるまで、演習問題などで繰り返し練習しておきましょう。
公式は単独で暗記するのではなく、どんな時に、どう使うかまで理解しておく必要があります。公式をひとつ覚えたら、その公式を使う教科書の例題や基礎問題を1問解いてみる、という作業を繰り返しましょう。問題を解く際は必ず、「なぜこの公式を使うのか」を考えながら、問題と公式をセットにしてパターンとして覚えることで、本番で悩む時間を減らし、自信を持って問題に取り組めるようになります。
【理科】用語の暗記と公式の使い方をマスター
理科は、暗記だけで点が取りにくく、内容の理解と応用力が必要です。特に公式は「覚えたつもり」で終わらせず、実際に使えるかどうかをチェックすることが重要になります。
用語は単に暗記するだけでなく、意味を聞かれたらすぐに回答できるようにしておきましょう。あらかじめカードやノートに用語と意味を整理しておき、声に出して(音読して)一言で説明する練習をするのがおすすめです。物理や化学の公式は、簡単な計算問題を1~2問ずつ解きながら、どんな問題に、どのように使うかまで考えます。公式を見ただけで、対応する問題が頭に浮かぶようにしておきましょう。
【社会】年号や用語は確実に暗記する
社会は暗記科目ではありますが、年号や用語を丸暗記するだけでは、本番で思い出しにくく、記述問題で対応しきれないことがあります。そのため、意味や流れを意識して覚えることが大切です。
重要な年号や用語は、なぜその物事が起きたのか、物語の流れを追うように覚えていくのがおすすめです。教科書やノート、資料集などを使い、年号・出来事・背景をセットで確認しながら、流れを意識して記憶しましょう。年号と出来事の結びつきだけでなく、なぜその出来事が起きたのかを簡単に説明できることがポイントです。自分で一問一答形式の小テストなどを作成しておき、パッと回答できる練習をしておくと、知識が抜けにくくなり、本番でもスムーズに思い出せるようになります。
【英語】単語と構文を文脈にあわせて覚える
英語は、単語や文法だけを知っていても、実際に文として理解して使えなければ得点に結びつきにくい科目です。文脈の中で単語や文法を覚えることで、長文読解や英作文が自然と頭に入りやすくなり、実践的な英語力が向上します。
教科書やワークの文章は、目で追うだけでなく、声に出して音読しながら覚える方法が効果的です。まず、音読前に単語やフレーズの意味、文法構造を確認しておきます。単語は単体ではなく文とセットで、英文法は基本構文を英文に当てはめながら確認するのがポイントです。単語や文法を軽く理解してから音読に進むことで、内容が自然と頭に入りやすくなります。日本語訳を思い浮かべながら、最初はゆっくりと正確に、発音やリズムを意識しながら音読するのもポイントの一つです。その後、少しずつスピードアップしながら繰り返し読むことで、効率的に記憶に定着させやすくなります。英単語や熟語の暗記もこの方法で進めましょう。
勉強のやる気が出ない時は、「勉強のやる気が出ない!やる気が出る仕組みとやる気を出す方法5選」も参考にしてください。
テスト前日の過ごし方
テスト直前は、やるべき勉強に取り組むことも大切ですが、体と心の状態を整えることも欠かせません。試験当日の集中力や冷静さを高め、最大のパフォーマンスを発揮できるような心身のコンディションの整え方を知り、前日のテスト勉強の効果をより本番に活かせるようにしていきましょう。
睡眠時間は削らない
睡眠時間は、できれば最低でも6時間程度を確保しましょう。
脳は、睡眠時に学んだ情報を整理し、記憶として定着させます。特に、深い眠りであるノンレム睡眠の間に、学習内容が脳に保存されるため、睡眠不足ではせっかく覚えたことがうまく頭に定着しなくなってしまいます。
また、睡眠は脳の疲れをリセットし、感情を安定させることにも役立ちます。テスト中に思い出すべき情報を引き出せなかったり、計算ミスをしたりといったことを減らすためには、心を落ち着かせて冷静に問題を解くことや、集中力を持続できることが大切です。
深夜(0時以降など)まで勉強しすぎて寝不足になり、試験でのパフォーマンスを落とさないためにも、しっかりと睡眠を取ることを心がけましょう。無理な徹夜は絶対に避けるべきです。
食事と休息で体を整える
テスト中に集中して頭を働かせるためには、大量のエネルギーが必要です。エネルギー不足による集中力の低下を招かないように、テスト直前には栄養バランスの取れた食事を摂取しておきましょう。特に、良質なタンパク質を摂取すると、長時間にわたってエネルギーが供給されやすく、集中力を維持しやすくなります。ただし、消化に負担のかかる食事は、エネルギーを消化活動に奪われてしまい、眠気やだるさを招く原因になります。テスト直前は体に負担をかけにくい、軽めの食事を心がけながら、エネルギーを補給しましょう。朝ごはんも忘れずに。
また、試験前は緊張や不安によって交感神経が活発に働き、興奮状態が続きやすくなります。深呼吸や軽いストレッチ、散歩などを取り入れ、体と心をリラックスさせておくことで、脳に十分な酸素と栄養が供給されやすくなり、より冷静に、集中して問題に取り組みやすくなるでしょう。体調管理もテスト対策の重要な部分です。
いよいよテスト当日!直前にやるべきこと
テスト直前の準備はもちろん、テスト当日の過ごし方も、テストの結果に大きな影響を与えることがあります。心身の状態を整えて、最高のパフォーマンスを引き出すために、直前にやるべきことをチェックし、自信を持ってテストに臨みましょう。万全のコンディションで実力を発揮することが目標です。
不安な部分だけテスト前に見直す
間違えたことがある問題や、理解が不十分だった部分に印を付けてピックアップしておき、特に覚えにくかった単語や公式、解き方のステップなどを短い時間で見直しましょう。また、前日に解いた問題をもう一度確認すると、記憶を強化しやすいです。直前に確認したい重要なポイントや要点には、さらにマーカーを引いておくなど、視覚的に強調しておくと、試験中に頭に浮かびやすくなります。
テスト当日は時間が限られています。焦りや不安を助長せず、落ち着いて取り組めるようにするためにも、休み時間内に要点を確認できたら、それ以上は新しい内容に手を出さないようにしておきましょう。
緊張を和らげる
緊張状態が続くと、脳の働きが鈍くなり、集中力や判断力が低下してしまいます。試験中にうまく思考が進まなくなったり、ミスをしてしまったりする原因になるため、テスト当日はリラックスできるように心がけることがとても大切です。
【テスト直前にできるリラックス法】
・深呼吸
・軽いストレッチ
・視覚的なリラックス(好きな景色を思い浮かべるなど)
・ポジティブな自己暗示
腹式呼吸でゆっくりと深呼吸を数回行うことで、心と体を落ち着けやすくなります。また、長時間座りっぱなしでいることや、緊張が続いていると筋肉が固くなってしまいます。首や肩、腕を軽く回してほぐすことで、体をリラックスさせやすくなるでしょう。目を閉じて静かな場所で心を落ち着けたり、自分の好きな音楽や自然の音を聴いたりするのも効果的です。さらに、「自分はできる」「落ち着いている」「しっかりと準備してきた」といった前向きな言葉を自分に向けてかけることで、緊張を和らげ、自信を持ってテストに臨みやすくなるでしょう。
ポジティブな考え方になるためには
テスト当日は、「あの問題が解けなかったらどうしよう」「準備が足りているか分からない」「もっと勉強しておけばよかった」といった不安から、ネガティブな気持ちになりやすいものです。特に、過去にうまくいかなかった経験がある場合、同じような失敗をするのではないかという恐れが強く、トラウマのようになっていることも。しかし、ネガティブな考えが強くなると、テストに対して消極的になり、冷静に問題を解きにくくなってしまいます。
自分が試験中にリラックスして問題に取り組み、冷静に回答しているイメージを思い浮かべたり、勉強でうまくいったことを意識的に思い出したりすることで、ポジティブな気持ちを膨らませやすくなります。過去の失敗ではなく、難しい問題を解けた時の達成感や、テストで良い点数を取得できた時の感覚など、「できたこと」を思い浮かべるのがポイントです。
また、テストの結果に対して過度なプレッシャーをかけずに、「最善を尽くすことが最も大切」だと考えましょう。試験を「楽しむことができる挑戦」と捉えることで、ポジティブなエネルギーを引き出しやすくなり、本番で自分の実力を十分に発揮しやすくなるでしょう。焦りをコントロールし、普段通りの力を引き出すことを意識しましょう。
定期テスト対策とともに、大学受験の勉強については「大学受験の効率的な勉強法とは?5つのおすすめステップとうまくいがzかないときの見直し方」も合わせて参考にしてください。
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