大学受験をする人の中で5人に1人は浪人生だと言われています。
2023年の文部科学省による大学基本調査では、大学入学者数の合計632,902人(留学生や外国の学校卒・専修学校高等課程卒・高卒認定の人も含む)のうち、18歳以下の大学進学者は516,091人、19歳以上は116,811人であり、およそ5人に1人が浪人を経験して大学に合格したと考えられます。
また、男性の大学進学者数340,210人のうち19歳以上は72,041人、女性は292,692人のうち19歳以上は44,770人です。浪人生の割合はそれぞれ男性で約21%、女性で約15%と、男性の方が浪人生を経て大学へ合格する確率が高いものの、浪人生自体の割合は男女ともに少なくないことが分かります。
「次こそ志望校に合格したい」「第一志望の国公立大学に行くことを諦められない」といった気持ちから、予備校に通うべきかどうか悩んでいる浪人生は少なくありません。
予備校通いは志望校合格の可能性を広げるひとつの手段ですが、種類も多く、予備校ごとに授業形式も異なるため、自分に合った予備校が分からない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、浪人生が予備校に通うべき理由から、通い始める時期や選び方のポイント、予備校に行かない際の注意点まで、浪人生の予備校通いについて徹底解説します。
目次(クリックで開閉)
・なぜ浪人生は予備校に通うべきなのか【6つの理由】
┗予備校のプロ講師の徹底サポートが受けられる
┗予備校に通うことで生活リズムが整って学習習慣が身に付く
┗受験へのモチベーションを維持できる
┗プロ講師にわからない問題を質問できる
┗予備校で収集している最新の入試情報が得られる
┗短期間での偏差値アップが可能
・浪人生はいつから予備校に通うべきか?
・浪人生の予備校や塾選び【4つのポイント】
┗自分に合った予備校かどうか
┗予備校への通いやすさと費用に無理はないか
┗プロ講師に勉強や進路の相談がしやすい環境か
┗複数の予備校や塾から体験授業を通して決める
・浪人生が予備校に通わない際の注意点
┗生活リズムを乱さないように意識する
┗自分に合った問題集や参考書で勉強する
┗モチベーションが下がらないよう工夫する
┗定期的に模試を受験して立ち位置を知る
なぜ浪人生は予備校に通うべきなのか【6つの理由】
まず、浪人生が大学受験対策として予備校に通うべき理由について、志望校合格の近道となる6つのポイントを紹介します。
予備校のプロ講師の徹底サポートが受けられる
予備校では、大学受験のプロが生徒に対して、以下のようなサポートを提供しています。
・学力や志望大学に応じた合格実現のためのカリキュラム
・各大学の入試傾向や特徴を捉えた質の高い指導
・受験に向けた具体的な学習計画の提案
・モチベーション維持のためのカウンセリング
・模試による成績管理と弱点強化対策
・豊富な教材と、学習に集中できる環境
・プレッシャーや不安に対する精神的なサポート
予備校に通うことで、大学受験に関するこのような徹底的なサポートを受けることができます。
予備校に通うことで生活リズムが整って学習習慣が身に付く
浪人生は学校に行く必要がないため、朝遅くまで寝てしまい、夜更かしをして勉強するといった生活リズムの乱れが生じやすくなります。このような乱れから体調不良につながり、学習に悪影響を及ぼしてしまうことが少なくありません。
その点、予備校へ通うことで、「毎朝同じ時間に起きて予備校へ行く」「授業を受けて、夕方まで自習をする」「夜に帰宅し早めに就寝する」といった規則正しい生活が自然と整いやすくなるメリットがあります。さらに、毎日同じ時間に勉強する習慣が身につくことで、学習を継続しやすくなります。
受験へのモチベーションを維持できる
受験までの長い期間、モチベーションを保ち続けるのは決して簡単なことではありません。勉強の成果が感じられなかったり、長期間勉強を続けるうちに目標を見失ってしまったりと、モチベーションが下がるタイミングは数多くあります。特に秋口から冬にかけては、勉強疲れによる体調不良や、受験本番が近づく焦りなどから、モチベーションが大きく乱高下しやすいと言われています。
予備校では、受験生のメンタル面のサポートも充実しています。志望校の入試傾向や特徴に精通したプロ講師が、生徒一人ひとりと目標を共有し、合格というゴールまで伴走することで、モチベーションを保ちながら受験勉強を進めやすくなります。
また、予備校の教室では自分と似た境遇で頑張っている仲間と自然と顔を合わせることになります。互いの勉強の進み具合を確認し、励まし合えることで、孤独感が和らぎ、前向きな気持ちで学習に取り組みやすくなるという側面もあります。
プロ講師にわからない問題を質問できる
独学の場合、分からない問題があった時は自力で調べて解決する必要があります。自分で学ぶ力を育むことはできますが、合格というゴールから逆算すると遠回りになってしまう可能性がありますし、ひとつの問題解決に長い時間を費やしすぎると、受験勉強を効率的に進めることも難しくなってしまいます。
予備校を利用すれば授業中に分からなかったところをその場で講師に質問できるため、疑問点を残さずにすぐに次の学習に進むことができます。理解できない問題や、苦手科目をできる限り作らずに弱点を克服できることは、学力に対する自信を保ちながら前向きに受験勉強を進める手助けにもなるでしょう。
予備校で収集している最新の入試情報が得られる
大学入試にはさまざまな選抜方法があり、入試システムは年々複雑になるばかりです。一般選抜入試だけを見ても、受験科目や受験方法が大学や学部によって異なることも珍しくありません。受験勉強で忙しい中、受験システムを調べるのはかなり骨の折れる作業です。
予備校は受験のトレンドや各大学の入試傾向に精通しており、最新の情報が豊富に手に入ります。さまざまな大学の入試情報を常にアップデートしているため、勉強の仕方から進路についてまで、実践を想定した徹底的なサポートを受けることができます。
短期間での偏差値アップが可能
独学で偏差値を大幅にアップさせるためには、綿密な学習計画、効率的に学習を進めるノウハウ、学習を続けるための自己管理能力、そのいずれもが必要不可欠です。しかし、それらを自分ひとりで実践するのは並大抵のことではありません。
予備校では個々の学力や志望校のレベルに応じた学習カリキュラムと、一人ひとりに適した無駄のない学習計画に沿って受験勉強を進められます。定期的な模試によって、自分だけでは気づきにくい弱点を明確にできますし、改善策を講師と共有することで、偏差値アップに向けた最短のアプローチを見つけることも可能になります。短期間で効率的に、大幅な偏差値アップを実現したい場合は、予備校通いが大変有効であると言えるでしょう。
浪人生はいつから予備校に通うべきか?
予備校に通い始めるのは、早ければ早い時期ほど望ましいです。
3月は入試の合否が決まってすぐの時期で、気持ちの切り替えが難しいこともあるかと思います。しかし、一度受験勉強から離れてしまうと、それまで努力して身に付けてきた学習内容を忘れてしまったり、受験へのモチベーションが下がってしまったりすることがあります。
できる限り早いうちに翌年の目標を決め、予備校探しを始めて、スムーズに受験勉強をリスタートさせましょう。
【予備校の一般的な年間スケジュール】
時期 | スケジュール | 学習内容 |
---|---|---|
3~4月 | オリエンテーション | 基礎固め開始 |
春期講習 | ||
5~6月 | 第1回共通テスト模試(5月) | 基礎固め |
第1回記述模試(5月) | ||
7~8月 | 夏期講習 | 基礎固め終了 |
第2回共通テスト模試(7月) | ||
第2回記述模試(8月) | ||
9~11月 | 志望校別模試(9月) | 応用力強化 |
第3回共通テスト模試(10月) | 過去問演習 | |
第3回記述模試(10月) | ||
プレ共通テスト(11月) | ||
12~1月 | 冬期講習 | 全範囲総復習 |
受験直前講習 | 過去問演習 | |
大学入学共通テスト本番(1月) | 共通テスト・大学別対策 | |
2月 | 個別試験 | 大学別対策 |
面接対策 |
予備校では春から夏は基礎学習、夏を過ぎると志望校ごとの特徴に沿った形式で学習を進めていく傾向にあります。そのため予備校によっては9月以降の途中入学はできないところもあったりします。遅くとも夏期講習の時期までには入学を決めることをおすすめします。
浪人生の予備校や塾選び【4つのポイント】
浪人生が自分の目標に届く学力を身に付けて、志望校合格を実現するためには、なるべく負担を最小限に抑えて、無理なく予備校に通い続けられることが大変重要です。目標や予算、通いやすさなどのポイントを押さえて、自分に合った予備校を選択しましょう。
自分に合った予備校かどうか
予備校の指導スタイルはさまざまで、学びやすいスタイルは人によって異なります。
【集団指導】
同じ境遇の受験生と共に学習を進めることで、受験へのモチベーションを保ちつつ、切磋琢磨しながら学力アップを狙うことができる
【個別指導】
講師との距離が近く、自分の学力や志望校に合ったカリキュラムで、自分のペースで学習を進めることができる
【映像授業】
1回の講義を何度も繰り返し見直すことができ、理解できるまでじっくりと学ぶことができる
【自学自習】
自分の立てた計画で学習を進める力が身に付き、生徒それぞれのペースで「分かる」だけでなく「できる」まで学びを深められる
それぞれにメリットがありますが、集団指導の場合は基本的にカリキュラムが固定で、全員が同じ内容・決められたペースで学習を進めます。自分の学力や性格に合った個別のカリキュラムを希望する場合は、柔軟な対応ができる個別指導の塾や予備校を選ぶのがおすすめです。
駿台・河合塾・代々木ゼミナール・東進などの大手予備校は、基本的に講義形式の集団授業です。
大まかな特徴を以下に記載します。詳細は各予備校にお問合せください。
【駿台予備校】
・集団指導
・最難関大学受験に強い
・理系コースに強い
主に難関大学志望者向けの予備校で、志望大学に合わせたカリキュラム別のクラスでプロ講師による授業を受講できます。クラス担任が付き、勉強だけでなく、進路のサポートや受験に関する悩みなど、さまざまな面でのサポートも提供。AI教材の活用や、集中力の持続を意識した50分授業など、効率的な学習に力を入れています。
【河合塾】
・集団指導
・再難関大学から中堅大学受験にも対応
・文系コースに強い
・個別指導や映像授業(河合塾マナビス)にも対応
最難関大学や医学部受験、中堅大学受験まで幅広いレベルに対応した授業を受講できます。目的に合った講座を組み合わせて個別カリキュラムを作成できるのが強みですが、学力レベルの幅広さから、校舎によって合格実績にばらつきがあることも。徹底的な問題研究を行っており、模試やテストが多いことから、入試本番に強い学力を身に付けられます。
【代々木ゼミナール】
・集団指導
・難関大学から中堅大学受験に対応
・個別指導や映像授業にも対応
比較的少人数で授業を受講でき、生徒数が少ないからこそ自習室が使いやすい、講師やスタッフとの距離が近いといったメリットもあります。また、教科別のアドバイザーに加えて、進路や大学情報を相談することができる先輩チューターも常駐しており、受験生の悩みを親身に聞いてくれます。成績割引など、授業料に関する支援が充実しているのも魅力のひとつです。
【四谷学院】
・集団指導と個別指導を併用できる
・難関大学から中堅大学受験に対応
科目ごとの学力レベルでクラス分けを行い、それぞれの学力に合った最適な授業を受けられるため、基礎固めからじっくりと勉強を進められる予備校です。集団指導と個別指導を併用するダブル教育を行い、現役高校生から浪人生まで対応しています。担任制度があり、高卒生・浪人生向けの進路や学習計画の立て方などのサポートも充実しています。
【東進衛星予備校・東進ハイスクール】
・映像授業
・難関大受験
全国にある校舎にて、自分の学力や志望校に合った映像授業を視聴できます。映像授業の数が豊富で、プロの講師陣による質の高い講義が多く、自分のペースで好きな時に視聴できるため、都合に合わせて勉強を進められます。担任が付き、生徒それぞれの目標達成に適したカリキュラムを作成することも可能です。
長い実績を持つ予備校は詳細な受験情報を豊富に持っていますが、校舎によって理系には強いが文系には弱いなどの特徴は異なります。自分の志望大学・学部の受験情報を的確に得られる環境かどうかも、合わせて確認しておくことが大切です。
予備校への通いやすさと費用に無理はないか
たとえ大手で志望校の合格者数が多い校舎だとしても、通学に時間がかかりすぎる予備校はおすすめできません。1日の勉強時間が減るだけでなく、毎日の通学が体力的にきつい場合、途中で通い続けられなくなるといったことも起こりえます。
また、予備校に通うためには当然ですが入学金や授業料などの費用を用意する必要があります。予備校やカリキュラムによって料金は異なりますが、受験直前1年間で100万円前後の費用というのが一般的な相場です。効率よく着実に学力を身に付けて自分のレベルに合った大学を受験したい場合は、生徒ごとのカリキュラムで指導を行う個別指導の塾や予備校を選択する方が安価になる場合もあります。
予備校通いをできる限り負担なく継続するためにも、自宅から近いかどうか、予算の範囲内であるかどうか、といったことは大切な検討ポイントとしましょう。
プロ講師に勉強や進路の相談がしやすい環境か
大手予備校では、講師は講義のみを行い、勉強や進路の相談はそれ専門のスタッフが別途請け負うといったことがよくあります。生徒によっては、担任制度のある予備校や少人数制、個別指導の塾や予備校を選択し、講師に直接悩みを相談できる方が合っている場合もあります。
浪人生は、現役高校生に比べて不安や悩みが強く、精神的に落ち込みやすい傾向にあります。そのため、自分の勉強の進み具合であったり、進路の相談であったりを気兼ねなくできる環境かどうかは大変重要な要素になります。さらに、すでに大学に通っている友達や家族には話せない悩みを理解してくれるスタッフがいるかどうかも、選択のポイントとして頭に置いておきましょう。
複数の予備校や塾から体験授業を通して決める
予備校をある程度絞り込めたら、複数の予備校を候補として挙げ、資料請求をしたり、無料体験授業を受けたりしながら、比較検討を行いましょう。
自分に合った予備校を見つけられるか否かは、1年間という長い時間、予備校に通い続けられるかどうか、志望校合格可能性をどれだけ高められるかに大きく影響します。事前のリサーチをもとに実際に授業を体験し、校舎の雰囲気や講師との相性などをチェックしておきましょう。
浪人生が予備校に通わない際の注意点
とはいえ、予備校通いには学費がかかる、通学に時間がかかる、人付き合いが増えるなどのデメリットも存在します。お金や時間・体力を削ることなく受験勉強を進めたい場合は、予備校に通わない「宅浪」という選択肢もあります。
しかし、受験までの1年間は長いようであっという間に過ぎていきます。予備校に通わない場合は、規則正しい生活を徹底し、計画的な学習、効率的な学力アップ方法やモチベーション維持を意識しながら受験勉強を続けていく必要があります。
生活リズムを乱さないように意識する
生活リズムが乱れると体調不良を招きやすくなり、勉強に集中することはできなくなります。予備校に通わない場合も、朝は早めに起きて朝食を食べ、午前中から勉強を始めるといった生活スタイルを維持することが大切です。
大学受験はほとんどが午前中から実施されています。受験当日に午前中からベストな状態で実力を発揮するためにも、夜型の勉強リズムはほどほどにして、朝型の生活リズムを整えておきましょう。
自分に合った問題集や参考書で勉強する
受験勉強を進める際は、自分の学力に合った問題集や参考書を使用しましょう。基礎が固まっていない状態で、過去問や志望大学の偏差値レベルの参考書に手を伸ばして解き始めることはおすすめしません。解説を読んでも理解できず、1問を解くのに時間がかかりすぎてしまい、効率的に学力を身につけにくくなります。さらに、分からない問題が多いと勉強へのモチベーションが下がり、集中力が続かないといった悪循環に陥ってしまいます。
まずは自分の学力に合った問題集や参考書を選ぶこと、理解や知識の深まりに合わせて次のレベルに進むといった、段階的な学力アップを目指すことが大切です。
モチベーションが下がらないよう工夫する
宅浪はひとりで受験勉強を進めるため、現役生よりも仲間の存在を感じにくく、勉強のモチベーションが下がりやすい傾向にあります。
・スモールステップで目標を決める
・目標達成時の報酬を設定する
・毎日同じ時間に学習を始める
・日記や学習記録によって成長を確認する
・オンラインで同じ境遇の仲間とつながり、情報交換を行う
規則正しい生活リズムとともに、モチベーションを保ちやすい自分なりの方法を生活に取り入れていきましょう。
定期的に模試を受験して立ち位置を知る
予備校に通っていない場合も、個人で模試に申し込み、定期的に受験することが大切です。模試は、受験生全体の中の自分の立ち位置を知れるとともに、自分の苦手分野や弱点に気づき、改善点を洗い出すことに役立ちます。模試を受験するごとに、成績表をすみずみまで確認し、志望校合格のために足りない部分を補足できる学習計画を練り直しましょう。
自宅学習だけでは、学習の成果がどの程度出ているのかを実感しにくくなります。模試の結果を見て、少しずつでも成長を感じられれば、受験勉強に対するモチベーションの維持にもつながるでしょう。
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