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口頭試問とは?高評価を得るためのポイントやよくある質問例まで徹底解説

学校推薦型選抜や総合型選抜(旧・AO入試)で受験する場合、一部の大学では“口頭試問”とよばれる試験が実施されます。
口頭試問で高評価を得るには、その概要や評価項目を正しく理解し、入念に対策することが重要です。

万全の準備をして志望校の口頭試問に臨むために、本記事でよくある質問例や対策のポイントを押さえていきましょう。

 

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目次(クリックで開閉)

・口頭試問とは
・口頭試問と面接は違う?
・口頭試問で評価される項目
 ┗学習意欲の高さ
 ┗基礎学力の有無
 ┗論理的な思考力の高さ
 ┗受け答えの態度
・口頭試問でよくある質問の例
 ┗注目しているニュースに関する質問
 ┗一般教養に関する質問
 ┗基礎学力に関する質問
 ┗入学後に関する質問
・学部ごとの口頭試問の質問例
・口頭試問に向けて対策する上でのポイント
 ┗ポイント①募集要項を確認する
 ┗ ポイント②過去の口頭試問で聞かれた内容を集める
 ┗ポイント③志望する学部・学科に関連した分野の基礎知識を蓄える
 ┗ポイント④最近のニュースをチェックする
 ┗ポイント⑤事前に練習する
・口頭試問の受け答えにおいて大切な要素
 ┗①自分の言葉で話す
 ┗②答えがわからない時は素直に伝える
 ┗③相手に伝わるように話す

・【まとめ】口頭試問には入念な準備と対策が求められる

 

口頭試問とは

口頭試問とは、大学側が受験生の思考力や説明力などを測る目的で実施する試験のことです。
形式は対面またはオンラインで、大学側からの口頭での質問に対し、受験生が回答する形で進められます。

口頭試問で質問される内容は、主に志望学部・学科に関連する分野の基礎知識です。
具体例は後述しますが、ペーパーテストのように、正解や解答プロセスが明確な質問をされることが多いという特徴があります。

 

口頭試問と面接は違う?

口頭で質問に答える形式の試験には面接もありますが、口頭試問と比較すると、以下のように明確な違いがあります。

口頭試問と面接の違い

口頭試問面接
重視される項目・論理的思考力
・説明力
・志望する学部・学科に
関連した知識 など
・志望動機
・志望する学部・学科への適性
・人間性 など
質問の傾向思考力、学問に関する知識
を問う質問が多い
人柄や将来の目標を
問う質問が多い
回答する際に
求められる姿勢
客観的な内容に基づいて
論理的に説明しようとする姿勢
自分の意見や経験を交えつつ
質問に的確に答えようとする姿勢
対策の難易度大学や学部・学科によって
質問の傾向が大きく異なるため、
問われる内容を予想することが難しい
質問内容は自己紹介や志望動機など
決まったものであることが多く、
対策はさほど難しくない

このように両者はまったく別の試験であるため、口頭試問で良い結果を収めるには、面接とは異なる対策が求められます。

 

口頭試問で評価される項目

口頭試問では、主に以下の4項目が評価対象となります。

【口頭試問の評価において重視される項目】

  • ・学習意欲の高さ
  • ・基礎学力の有無
  • ・論理的な思考力の高さ
  • ・受け答えの態度

 

ここからは、それぞれの詳細と対策方法を見ていきましょう。

 

学習意欲の高さ

多くの大学が口頭試問で重視しているのは、“志望する学部・学科で学ぶ分野に、受験生がどれだけ強い関心を寄せているのか”という点です。
志望学部・学科に関連する分野に高い関心をもち、自主的に学んでいる受験生であれば、入学後も高い学習意欲を持ったまま勉学に励んでくれると期待できるためです。

口頭試問では、話題のニュースに対する意見を問う形で、受験生の理解力や学習意欲の高さ、そして探求心の強さが評価されます。
効果的にアピールできるよう、学部・学科で学ぶ分野の情報を普段から収集し、自分なりの考えを事前にまとめておくことが大切です。

 

基礎学力の有無

口頭試問では、大学入学後の学習で求められる基礎学力が備わっているかどうかも確認されます。
チェックされる項目はあくまでも基礎学力であるため、基本的には教科書の内容を理解できていれば問題ありません。

たとえば外国語学部では、高校卒業レベルの英語で質疑応答を行うケースがみられます。
また理系学部の場合には、口頭で簡単な計算式の答えを問われることがあります。
大学のWebサイトで公開されている質問例や募集要項から、志望する学部・学科の出題傾向を分析し、求められる学力レベルを把握した上で対策を進めましょう。

 

論理的な思考力の高さ

質問に対し、客観的な根拠に基づいて論理的に回答できるかどうかも、口頭試問の重要な評価項目です。

論理的な説明とは、自分の回答を裏づける根拠を示し、考えをわかりやすく伝えることを指します。
このような能力の高さを確かめるために、口頭試問では結論に至るまでのプロセスを問われるのが一般的です。
明確な理由とともに回答できれば、高く評価されるでしょう。

なお、論理的な思考力は一朝一夕で身につくものではありません。
日頃から、自分の考えを具体的な数字を用いて伝える、あるいは自分の意見を根拠とともに話す練習を行い、自然と実践できる状態を目指すことが大切です。

 

受け答えの態度

前述の通り、口頭試問では主に思考力や学術的な知識が問われるため、受験生の人間性や性格を探る質問は少ない傾向にあります。
しかし、受け答えの態度から人柄を評価される可能性は十分に考えられます。

面接官に良い印象を与えられるよう、回答する際は落ち着いた話し方や明るい表情を心がけましょう。

 

口頭試問でよくある質問の例

口頭試問を受験する際は、質問例を把握した上で、出題傾向を事前に掴んでおくことをおすすめします。
本項では、以下の4種類に分けて具体例を紹介します。

【口頭試問で聞かれる質問の種類】

  • ・注目しているニュースに関する質問
  • ・一般教養に関する質問
  • ・基礎学力に関する質問
  • ・入学後に関する質問

 

注目しているニュースに関する質問

口頭試問では、「最近気になったニュースはありましたか?」「そのニュースに対して、どのようにお考えですか?」などと問われることがあります。
このような質問は、受験生の社会に対する関心度や学習意欲を見極める目的で行われます。
対策としては、普段から志望学部・学科に関連するニュースにアンテナを張り、それに対する自分の考えを事前にまとめておくことがポイントになります。

たとえば、経済学部の口頭試問で新型コロナウイルス感染症のニュースが気になったことを答える場合は、飲食店の経営問題などにも紐づけて意見を述べるとよいでしょう。

 

一般教養に関する質問

志望する学部・学科にかかわる一般教養についても、口頭試問で確認される可能性があります。
例として、教育学部の口頭試問で過去に問われた内容を見てみましょう。

【教育学部の一般教養に関する質問の例】

  • ・幼保少連携についてどのようにお考えですか?
  • ・これからの子どもたちにはどのような力が求められるとお考えですか?
  • ・どのような子どもたちを育てていきたいですか?

 

上記の質問では、教育学部での学習で必要となる“ 幼保少連携”という用語の知識や、現代教育の課題に対する関心・理解力が問われています。
回答する際は、こうした教育の知識や課題を踏まえた上でご自身の考えを述べることが効果的です。

 

基礎学力に関する質問

お伝えしたように、基礎学力に関する質問は、教科書の内容を押さえていれば問題なく答えられます。
実際にどのような問題が出題されるのかを把握したい方は、教科別の出題内容の例をまとめた以下の表をご覧ください。

教科別の基礎学力に関する質問の例

教科質問例
英語・英語での質疑応答
・英文の音読
・英訳、和訳
・英語での自己紹介や自己アピール
数学・基礎的な計算問題
・数式の定義を説明する問題
国語・文章問題
・著名な作家の文学作品や文学史などに関する問題
・漢字や四字熟語などの知識問題
理科・公式や定理を説明する問題
・基礎知識を問う問題
社会・出来事が起こった経緯や背景に関する問題
・歴史上の人物に関する問題
・政治経済に関する問題

なお、これらすべての教科を学習する必要はありません。
“国文系の学部であれば国語、物理系の学部なら理科”のように、志望する学部・学科にかかわる教科を選んで学習を進めましょう。

 

入学後に関する質問

受験生の学習意欲を測るために、大学入学後に取り組みたいことや学びたいことを質問されるケースもみられます。
大学のカリキュラムや研究内容を事前に調べた上で、「〇〇分野の△△について学び、新技術を発見して□□に貢献したい」のように、具体的に答えることがポイントです。

 

学部ごとの口頭試問の質問例

口頭試問の質問の種類は前項で述べた通りですが、実際に問われる内容は学部によっても異なります。
ここでは、いくつかの学部をピックアップし、具体的な質問例を以下の表にまとめました。

【口頭試問で問われる質問の例(学部別)】

学部質問例
外国語学部・今後、和食の魅力を世界に広めるためには、どのような取り組みが必要だとお考えですか?

・留学するとしたら、どの国に行きたいですか?
理工学部・(微分などの公式を使った基礎的な問題に対して)この問題が解けますか?黒板を使っても構いません。

・地球温暖化を防ぐために、どのような技術が必要だとお考えですか?
理学部・(物理・化学・生物の基礎的な問題に対して)この問題が解けますか?

・自由落下とは物体のどのような運動のことを指すのか、説明してください。
医学部・患者へのインフォームドコンセントについて、どのようにお考えですか?

・医療倫理について、どのようにお考えですか?
薬学部・ジェネリック医薬品について、どのようにお考えですか?

・将来、どこに就職してどのような薬剤師になりたいですか?
農学部・(化学・生物の基礎的な問題に対して)この問題が解けますか?

・SDGsについて、どのようにお考えですか?
教育学部・教育において、どのような点を重視すべきだとお考えですか?

・いじめを防ぐために、教師にはどのようなことが求められるとお考えですか?
法学部・リーガルマインドについて、説明してください。

・法の下の平等とは、どのような概念ですか?
経済学部・日本経済を活性化するための政策を提案してください。

・シュンペーターについて、イノベーションという言葉を使って説明してください。

上記の例とあわせて、志望校のWebサイトで公開されている口頭試問例や募集要項からも情報を集めれば、より万全な対策を行えるでしょう。

 

口頭試問に向けて対策する上でのポイント

口頭試問対策を行う際は、ここまでで解説した内容に加え、以下のポイントも事前に押さえておくと、試験本番でも冷静に受け答えできるようになります。

【口頭試問対策で押さえておきたいポイント】

  • ・募集要項を確認する
  • ・過去の口頭試問で聞かれた内容を集める
  • ・志望する学部・学科に関連した分野の基礎知識を蓄える
  • ・最近のニュースをチェックする
  • ・事前に練習する

 

本項では、それぞれの内容を詳しく紹介します。

 

ポイント①募集要項を確認する

口頭試問に備えるには、まず志望する学部・学科の募集要項を確認し、出題傾向をつかむことが不可欠です。

募集要項にはたいてい、口頭試問の目的や評価の観点が記載されています。
「○○の理解力を確認する目的で行う」のように書かれているため、出題内容のヒントを得られます。
こうして対策する範囲を絞ってから学習を進めれば、口頭試問で求められる知識を効率よく身につけられるでしょう。

 

ポイント②過去の口頭試問で聞かれた内容を集める

通っている高校の先生や志望する学部・学科に合格した先輩に、過去の口頭試問の質問内容を聞くことも大切です。
実際に出題された内容を把握すれば、対策する範囲を絞り込む際に役立ちます。

また、学校推薦型選抜や総合型選抜の対策に強い塾に通うのもおすすめです。
このような塾では、過去の受験生から集めた口頭試問の出題内容がデータとして蓄積されているケースが多く、膨大な情報を得られます。
あわせて学習方法のアドバイスも受けられるため、一人で口頭試問対策を進めるのが不安な場合には非常に心強い味方となるでしょう。

 

ポイント③志望する学部・学科に関連した分野の基礎知識を蓄える

口頭試問の出題傾向を把握した後は、その分野や教科の基礎知識を身につけましょう。

先述したように、基本的には教科書の内容を学習すれば十分ですが、関連する専門書や新書、論文などにも目を通せると理想的です。
知識がより深まるため、自分の言葉で説明する力が養われます。

 

ポイント④最近のニュースをチェックする

口頭試問では、最近のニュースに関する意見を問われることがあります。
本番で慌てず答えるためにも、普段から時事問題に目を向け、自分の考えを事前にまとめておきましょう。

 

ポイント⑤事前に練習する

身につけた知識を実際の口頭試問の場でうまくアピールするために、練習を事前に重ねておくこともポイントです。
通っている高校や塾の先生に面接官役をお願いし、本番を想定したシミュレーションを行えば、当日も緊張せずに受け答えできる可能性が高まります。

また、話し方や表情、動作などの改善点を指摘してもらうことも欠かせません。
練習を繰り返してブラッシュアップできれば、口頭試問に自信をもって臨めるはずです。

 

口頭試問の受け答えにおいて大切な要素

口頭試問の場で試験対策の成果を発揮するには、以下の要素を踏まえた回答を心がけることが重要です。

【口頭試問の受け答えで重要視される要素】

  • ・自分の言葉で話す
  • ・答えがわからない時は素直に伝える
  • ・相手に伝わるように話す

 

本番で自然に実践できるよう、練習段階からこれらの点を意識することをおすすめします。
本項で詳細を解説しますので、参考にしてください。

 

①自分の言葉で話す

口頭試問では、教科書や参考書の内容をそのまま暗唱するのではなく、自分の解釈で伝える必要があります。
なぜなら口頭試問の評価では、回答の正確性以上に、結論に至るまでの思考プロセスや説明力が重視されるためです。

難しい言葉を理解せずに使用する、あるいは他者の意見を丸暗記して話すことは避け、自分の言葉で意見を述べましょう。

 

②答えがわからない時は素直に伝える

質問内容が難しく、しばらく考えても回答が思い浮かばない場合は、「わからない」と答えても問題ありません。

回答できなかったり言葉の意味を聞き返したりしても、直ちに評価が下がる可能性は低いでしょう。
むしろ、質問内容を理解しないまま的外れな意見を述べることのほうが、悪い印象を与えるおそれがあります。

 

③相手に伝わるように話す

自分の意見を述べる際は、落ち着いてゆっくりと話すことを意識しつつ、まず結論から伝えましょう。

特に、“結論を最初に述べてから根拠や理由を話し、再び結論を伝えて締める”という話し方が重要です。
この順序で話すことで、面接官がもっとも聞きたい部分である“質問に対する回答(結論)”と“回答に至った理由”を、分かりやすく端的に伝えることができます。
結果として、論理的で説得力のある説明だと評価されやすくなります。

 

【まとめ】口頭試問には入念な準備と対策が求められる

口頭試問では、学習意欲や論理的な思考力の高さなどが問われます。
特に結論に至るまでの過程が重視されるため、出題傾向を把握した上で、わかりやすく説明する力を養うことが不可欠です。

また、口頭試問で回答する際は、受け答えの態度や話し方、表情なども見られます。
通っている高校や塾の先生を相手に練習を繰り返し、本番を安心して迎えられるように準備しましょう。

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