皆さんは内申点が高校受験の合格・不合格に大きな影響を与えることをご存知でしょうか?中学校で学期ごとにもらう通知表の成績との違いや、内申点の評価基準、高校受験において内申点がどの程度重視されているか、詳しく把握しているお子さんや保護者は少数派かもしれません。内申点は定期テストで高得点を取るだけでは高い評価を取りにくく、また地域によって計算方法や割合が異なるため、正しい情報収集とそれに基づいた対策が重要になります。
本記事では、通知表と内申書(調査書)の違いから、内申点の計算方法や重要性、2024年度時点での都道府県ごとの内申点の評価方法の違い、さらに受験対策に役立つ内申点の評価基準、具体的な内申点アップの上げ方まで、徹底解説していきます。
通知表と内申書(調査書)の違い
通知表とは、中学校の先生が1学期・2学期・3学期の学期ごとに生徒の成績を記載する個別の資料です。生徒が受け取る成績表として、各教科の評価をはじめ、出席・欠席日数、遅刻や早退などの基本情報が記録されており、主に保護者や生徒に向けて作成されます。
一方、内申書(調査書)は、中学校での学年ごとの成績や活動をまとめた書類です。通知表の成績をもとにした記載に加えて、生徒がどのように中学生活を送っていたかが分かる以下のような情報も含まれます。
・生徒会活動などの学校生活における活動
・部活動や大会での活躍・成果
・生活態度や出欠席、遅刻早退の記録
・受験生としての基本情報
つまり、通知表は家庭向けの成績報告書である一方、内申書は進学時に必要な情報が記載される重要な資料として、高校入試で活用されます。
内申点とは?
内申点とは、内申書(調査書)に記載される数値のことです。「評定」という呼び方をよく耳にしますし、「調査書点」という表現を目にすることもあります。
内申書(調査書)の中の「中学校での学業成績(学習の記録)」に記載されるもので、各教科の先生が評価を行います。評価対象となるのは、主要5教科(国語・数学・英語・理科・社会)と、実技4教科(技術家庭・保健体育・美術・音楽)を合わせた9教科です。通常、1~5の数値による5段階評価で示されます。
高校入試において、内申点がなぜ重要なのか
受験の合否判定には、学力検査、面接、自己表現などの評価に加え、内申点を組み合わせた総合得点が用いられるのが一般的です。そのため、高い内申点を獲得しておくことは、受験対策として非常に重要な意味を持ちます。
内申点が低い場合、受験当日の学力検査で確実に高得点を取らなければ高校合格が難しくなってしまいます。一方、内申点が高ければ、万が一学力検査の点数が思うように取れなかった場合でも、志望校合格の可能性は高くなります。つまり、学力試験本番でのプレッシャーを軽減でき、精神的な余裕を持って受験に臨めるという点でも、高い内申点を維持することは受験生にとって大変重要だと言えるでしょう。
都道府県による内申点記載学年や比重の違い
内申点の算出方法は都道府県ごとに異なり、首都圏の1都3県でも計算・算出方法は様々です。以下、首都圏、愛知県(名古屋市)、大阪府、兵庫県の具体例を見ていきましょう。
東京都・都立高校入試のケース
東京都の都立高校入試では、一般入試において中学3年生の1~2学期の成績のみを使用します。学力検査を実施する教科の内申点を1倍、実施しない教科の内申点を2倍して算出する方式を採用しています。
学力検査が国語・数学・英語・理科・社会の5教科であれば、その他の教科が4教科なので、内申点の満点は65点。
学力検査が国・数・英の3教科の場合、その他の教科は6教科となり、内申点の満点は75点という計算です。
学力検査が5教科の場合
国語 | 数学 | 英語 | 理科 | 社会 | 技術家庭 | 保健体育 | 音楽 | 美術 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
中3 | 5 | 4 | 3 | 2 | 4 | 3 | 3 | 4 | 5 |
この成績の場合、5+4+3+2+4+(3+3+4+5)×2=48点が内申点の合計となります。
そして、総合得点の満点を1,000点とし、学校ごとの学力検査の点数と内申点の比率を合わせて計算することで、調査書の得点を算出します。
東京都立高校で学力検査が5教科の場合、学力検査と調査書の得点の比率は基本7対3です。上記の例で内申点が48点の場合:
300点×48点÷65点(内申点の満点)=221点(小数点以下切り捨て)
こちらが調査書の得点となります。
都立高校入試では、この調査書の得点に学力検査の得点を合計して700点に換算したものを合わせた総合得点で、生徒の合否を判定します。
また、中学校英語スピーキングテストの結果も加味するとしており、スピーキングテストの評価がA評価であれば20点の加点となり、総合得点の満点が1020点になります。
神奈川県・公立高校入試のケース
神奈川県の公立高校の一般入試では、中学2年生の9教科の内申点の合計と、中3の9教科の内申点の合計を2倍した数値の合計点数を用います。中2の9教科は45点満点、中3は2倍で90点満点となるため、合計135点が満点となります。
国語 | 数学 | 英語 | 理科 | 社会 | 技術家庭科 | 保健体育 | 音楽 | 美術 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
中2 | 3 | 5 | 3 | 4 | 3 | 4 | 3 | 4 | 3 |
中3 | 3 | 5 | 4 | 5 | 2 | 3 | 4 | 4 | 4 |
この成績の場合、中2の3+5+3+4+3+4+3+4+3=32点と、中3の(3+5+4+5+2+3+4+4+4)×2=68点を合計した100点が調査書に記載される内申点の合計点です。
評価方法の特徴として、内申(135点満点)と当日の入試得点(500点満点)の比率を、合計10になるように「内申:入試得点=『2:8』~『8:2』」の範囲で各学校が設定します。また、特色検査を実施する学校では、係数「1~5」の範囲で合計10に上乗せされます。
参照:令和7年度神奈川県公立高等学校入学者選抜及び特色検査の概要
埼玉県・公立高校入試のケース
埼玉県の公立高校の一般入試では、中1・中2・中3の9教科の内申点の合計点数を使用します。多くの高校で3年の得点を2倍または3倍とする特徴があります。各学年45点満点で、3年生を2倍とする場合は180点満点、3倍の場合は225点満点となります。
3年を3倍としている場合
国語 | 数学 | 英語 | 理科 | 社会 | 技術家庭科 | 保健体育 | 音楽 | 美術 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
中1 | 2 | 4 | 5 | 4 | 3 | 5 | 2 | 3 | 4 |
中2 | 3 | 5 | 4 | 3 | 2 | 4 | 3 | 4 | 4 |
中3 | 4 | 5 | 5 | 3 | 2 | 4 | 3 | 4 | 5 |
この成績の場合、中1の2+4+5+4+3+5+2+3+4=32点と、中2の3+5+4+3+2+4+3+4+4=32点、中3の(4+5+5+3+2+4+3+4+5)×3=105点を合計した169点が調査書に記載される内申点の合計得点です。
埼玉県の特徴として、学力検査(500点満点)に加え、特別活動等の記録やその他の項目を含めた総合得点で合否判定を行います。
学力検査と調査書の比率は高校ごとに異なります。さらに、高校によっては特別活動の記録として、生徒会や委員会活動、部活動での大会の記録などが重視される他、その他の項目として検定試験の級による得点が加算されるといった特徴があります。
参照:埼玉県令和7年度一般募集入学者選抜要領
公立高等学校入学者選抜における各高等学校の選抜基準
千葉県・公立高校入試のケース
千葉県の公立高校の一般入試では、中1・中2・中3の9教科の内申点の合計を使用し、各学年45点で総計135点満点として評価します。
国語 | 数学 | 英語 | 理科 | 社会 | 技術家庭科 | 保健体育 | 音楽 | 美術 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
中1 | 5 | 2 | 4 | 3 | 5 | 3 | 5 | 4 | 4 |
中2 | 5 | 3 | 3 | 3 | 4 | 4 | 4 | 3 | 5 |
中3 | 5 | 4 | 4 | 4 | 5 | 3 | 4 | 3 | 4 |
この成績の場合、中1の5+2+4+3+5+3+5+4+4=35点、中2の5+3+3+3+4+4+4+3+5=34点、中3の5+4+4+4+5+3+4+3+4=36点を合計した105点が、調査書に記載される内申点の合計です。
千葉県の特徴は、高校ごとに定められたK値(係数)を内申点の合計に乗じる点です。調査書の得点に加え、学力検査の得点と、面接や作文などの学校設定検査の得点を加算した総合得点で合否を判定します。K値は原則として1ですが、0.5以上2以下の範囲内で設定され、一般的に上位校ほどK値が低くなる傾向にあります。
参照:令和7年度千葉県公立高校学校入学者選抜実施事項について
愛知県(名古屋市)・公立高校入試のケース
愛知県の公立高校の一般入試では、中3の9教科の内申点合計を使用します。一般的に45点満点の内申点を2倍しますが、高校によっては4倍とするケースもあります。
内申点を2倍としている場合
国語 | 数学 | 英語 | 理科 | 社会 | 技術家庭科 | 保健体育 | 音楽 | 美術 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
中3 | 3 | 5 | 4 | 3 | 2 | 4 | 3 | 4 | 4 |
この成績の場合、中3の3+5+4+3+2+4+3+4+4=32点×2倍の64点が調査書に記載される内申点の合計です。
愛知県の特徴として、学力検査の各教科の得点を22点とし、5教科110点を満点として計算します。これに調査書の点数を加えた総合得点で合否を判定します。また、面接を行う場合や、学力検査の得点を2倍にして計算する場合など、高校ごとに特色ある選抜方法を採用しています。
大阪府・公立高校入試のケース
大阪府の公立高校の学力検査に基づく入試では、中1・中2の9教科の内申点合計を2倍、中3の9教科の内申点合計を6倍して活用します。具体的には、中1・中2の45点×2×2=180点と、中3の45点×6=270点を合計した450点を満点としています。
国語 | 数学 | 英語 | 理科 | 社会 | 技術家庭科 | 保健体育 | 音楽 | 美術 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
中1 | 5 | 4 | 4 | 4 | 5 | 3 | 4 | 3 | 4 |
中2 | 5 | 3 | 3 | 3 | 4 | 4 | 4 | 3 | 5 |
中3 | 5 | 2 | 4 | 3 | 5 | 3 | 5 | 4 | 4 |
この成績の場合、中1の5+4+4+4+5+3+4+3+4=36点と、中2の5+3+3+3+4+4+4+3+5=34点を2倍して140点、中3の5+2+4+3+5+3+5+4+4=35点を6倍して210点を合計した350点が、調査書に記載される内申点の合計です。
大阪府では、5教科の学力検査の得点を1教科90点の450点満点とし、調査書の得点と合わせた総合得点で合否を判定します。ただし、学力検査の成績と調査書点の割合は高校ごとに異なるため、志望校の基準を確認することが重要です。
兵庫県・公立高校入試のケース
兵庫県の公立高校の一般入試では、中3の9教科のうち、主要5教科の内申点合計を4倍、副教科4教科の合計を7.5倍して使用します。これにより、5教科を100点、副教科を150点に換算し、合計250点満点として算出します。
国語 | 数学 | 英語 | 理科 | 社会 | 技術家庭科 | 保健体育 | 音楽 | 美術 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
中3 | 5 | 3 | 3 | 3 | 4 | 4 | 4 | 3 | 5 |
この成績の場合、中3の主要5教科(5+3+3+3+4=18点を4倍して72点、副教科4教科4+4+3+5=16点を7.5倍して120点にし、合計192点が、調査書に記載される内申点の合計得点です。
兵庫県の特徴として、学力検査の得点を1教科50点で250点満点とし、調査書の得点と合わせた総合得点で合否判定を行います。また、推薦入試では中1・中2の成績も内申点に反映されます。さらに、複数志願制度を採用しており、第一志望校と第二志望校を設定でき、第一志望者には合否判定時に加点される仕組みがあります。
参照:兵庫県教育委員会 令和7年度兵庫県公立高等学校入学者選抜要綱
詳しい情報については、各都道府県、高校ごとの公式ホームページを参照、高校に直接お問い合わせください。
私立高校入試における内申点
私立高校の入試では、内申点の活用方法が学校によって大きく異なります。例えば以下のようなパターンがあります。
・規定の内申点を超えていれば学力検査なしで合格
・学力検査の成績に関わらず内申点で合否を決定
・内申点を評価せず学力試験のみで判定
近年は内申点を評価基準として活用する高校が増えていますが、単願や併願によっても評価基準が異なることがあるため、各学校の方針・違いを確認しておく必要があります。
また、私立高校は入試日程とともに、出願期間が公立高校よりも早いといった特徴があります。12月には出願を終えていることが多く、中3の2学期の成績は間に合わないことから、1学期の成績までしか内申点に反映されないことがあるため、注意しておきましょう。
さらに、私立高校では模試の結果を合否判定の参考資料として使用することがあります。特に埼玉県の「北辰テスト」は、高校側が学校の成績とともに北辰テストの偏差値や成績表を参考にして志願者の学力を評価し、一定以上の成績であれば合格を確約するなど、私立高校の入試に大きな影響を与えるとされています。また、神奈川県の「全県模試」でも模試の偏差値や科目別の得点が合否の判断材料にされたり、大阪府の「五ツ木模試」は私立の併願入試の判断材料とされたりと、北辰テストほどではないものの、模試の結果を活用することがあります。このように、模試が重要視されている都道府県の私立高校を受験する場合は、学校の成績だけでなく、模試を受験して好成績を残しておくことが大切です。
生徒会活動や部活動は内申点に関わる?
生徒会活動や部活動などの課題活動での実績は、内申書(調査書)のうち「その他の事項」として記載されます。これらが受験の合否にどの程度影響するかは地域や学校によって異なりますが、多くの場合、教科の成績ほどの比重は置かれていません。
ただし、以下のような活動は高評価につながる可能性があります。
・生徒会での積極的な活動と学校への貢献
・部活動の継続的な取り組み
・リーダーシップの発揮
・県大会や全国大会への出場実績
どのような活動にトライしたかを重視する高校もあるため、自身の活動実績が進学に有利になるかどうかを確認しておくことで、高校選びに役立てることが可能です。
内申点の評価基準
内申点には学期ごとの通知表の成績が反映されます。そのため、成績が上がれば、おのずと内申点も上がることになります。
しかし、通知表の成績を上げるには定期テスト対策だけでは不十分です。実際には、授業態度や課題の提出状況など、多角的な視点から評価が行われています。内申点を上げるためには、通知表の評価の仕組みについて、きちんと知っておくことが大切です。
平成29年の文部科学省による学習指導要領の改訂に伴い、通知表の評価基準は以下の3つの観点別評価として定められています。
・知能、技能
・思考力、判断力、表現力
・主体的に取り組む態度
参照:文部科学省「学習評価の在り方ハンドブック」令和元年
それぞれどのような観点別学習のポイントで生徒を評価しているのか、ひとつずつ詳しく見てみましょう。
知能・技能
各教科で学習した知識や概念、実技科目で学んだ技能、それらを的確に習得できているか分析して評価します。
定期テストや小テストの点数を主な評価材料にしており、実技では技能テストの成果や作品の完成度を採点します。3つの観点のうちでは、最もテストの成績が直結しやすい評価基準となっています。
思考力・判断力・表現力
問題解決能力や、正しい情報を判断する力、自分の意見・考えを表現する力を分析して評価します。課題や問題に対して積極的に自分の意見を持ち、さまざまな視点から物事を捉えて筋道を立てて考えられるかどうか、データや情報を整理して最適なものを選び出せるかどうか、考えていることを相手に伝わるように口頭や文章で表せるかどうかがポイントです。
主にディベートやディスカッション、探求学習、グループワーク、作文やレポート、作品の制作・発表などの活動をもとに学生の力を判断し、点数化します。
主体的に学習に取り組む態度
学習に取り組む姿勢や学びに対する意欲を評価します。積極的に授業に参加しているかどうか、自主的に学習を進めているかどうか、課題に取り組む粘り強い姿勢や最後までやり遂げる意欲、計画的に自己管理する力を持っているかどうかがポイントです。
主に授業中の発表や発言、質問やグループ活動でのリーダーシップの発揮、出された課題に対し資料などを活用して自分自身で調べる姿、課題の提出期限を守って学習を計画的に進めている姿勢などを見て、判断しています。
詳しい評価基準や点数の配分については、学校から子どもや保護者向けにプリントで配られることもあるため、成績表と照らし合わせながら、点数が足りない部分についてチェックしてみることをおすすめします。
内申点を上げるポイント
「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点から通知表の成績が決まります。したがって、定期テストの頑張りだけでは、内申点を上げることが難しくなりました。
内申点を大きく上げるためには、個々の評価基準を踏まえたうえで、ポイントを押さえて対策を練る必要があります。
中1から受験を意識
中学1年生の通知表の成績から内申点に反映される場合も、中3のみの成績である場合も、中1から受験を意識しておくことをおすすめします。
内申点を高く保つためには、定期テストのための試験勉強や、授業内での積極的な発言、提出物の期限内提出など、日々の努力の積み重ねが必要です。中3になって急に授業態度を良くする、テストで高得点を取りたいと思っても、生活態度や基礎的な知識、高得点を取るための勉強法が身についていない場合、大変難しいことが予測できます。
中1のうちから受験を意識し、学習習慣を身に付け、基礎学力を固めておくとともに、学校での行動や態度を意識しておくことが、受験に有利な状況の下準備につながります。
集団塾や個別指導塾、家庭教師などを活用して自分に合った勉強法を見つけ、過去問にも早めに取り組んでおきましょう。
授業態度
授業態度は、主体的に取り組む態度の評価に影響します。定期テストで高得点を取っていても、授業態度が悪いと判断された場合は成績にネガティブに影響することがあるため、注意が必要です。
しっかり真面目に授業に取り組んでいることを、実際の行動で表しましょう。例えば、忘れ物をしない、授業中に居眠りをしない、私語をしない、姿勢を良くして話している人を見る、ノートをしっかり取るなどの他、積極的に発表をしたり、質問をしたりなど、先生から「この生徒は真剣に授業を受けている」と思われる行動を心がけることで、良い評価を得られるようになります。
テストの点数が平均的でも、授業態度が良い場合は内申点の評価が上がることもあるため、日ごろから前向きで積極的な学習態度を心がけましょう。
提出物の期限
課題をきちんと期限内に提出しているかも、主体的に取り組む態度の評価に影響します。期限を必ず守って課題や宿題を提出することで教師からの信頼が増し、課題に対する責任感があると判断され、内申点の評価が上がります。その際、提出物の内容も評価の対象です。作品や技術の質を高められるように努力し、期限を守りながら、丁寧に課題に取り組むことを心がけましょう。
中学校では、科目ごとに提出期限が異なる課題をいくつも出されることがあります。また、定期テスト前に提出期限が組まれることも。課題が出されたら、ひとつの課題にどの程度時間がかかるかを計算し、計画的に作業を進められるようにしておきましょう。
小テストの得点
定期テストだけでなく、科目ごとに授業で行われる小テストでも、高得点を目指すことが大切です。小テストの点数は、知識の習得や日々の授業への取り組み、授業内容の理解度を示す証拠として、通知表の成績評価の一部に組み込まれています。定期テストと比べて出題範囲が狭いことから、比較的得点を取りやすい特徴があります。
多くの小テストは授業の復習として、学習した内容の基本的な部分が出題されます。授業をしっかりと聞き、短時間でも日々の復習を行っておく、小テストの前に理解が不十分なところを先生や友達に確認しておくことで、高得点を取れるとともに、定期テストや受験勉強の準備ができ、成績の安定にも効果があります。
検定試験や課外活動への挑戦
英語検定や漢字検定の成績は、学習意欲の高さや学力を客観的に証明する手段となり、内申点アップに大きく貢献する要素のひとつです。難しい級になればなるほど評価は高くなり、進学に有利に働きます。
英検や漢検は、多くの場合、在学している中学校を受験校として定期的に受験できます。申し込みや受験日を確認し、中1のうちからコツコツと勉強し、計画的に試験を受けておくことで、段階的に高い級の合格実績を積み重ねることができます。
さらに、検定試験の学習では、教科書に載っている内容よりも発展的な知識やスキルを身につけることができます。検定試験の勉強を通して各教科の授業理解が深まり、定期テストや小テストでも高得点を取りやすくなります。また、受験日に向けて計画的に勉強を進めることで、学習習慣も自然と身についていきます。
加えて、生徒会活動や部活動、ボランティアなどの地域活動といった課外活動も、内申点にプラスとなることがあります。学業以外のさまざまな活動が受験に有利に働くため、いろいろなことに挑戦しながら、自分の魅力を最大限に引き出せるような、充実した中学校生活を心がけましょう。
定期テストの得点
これまで内申点を上げるポイントをいくつか紹介してきましたが、やはり、最も重要なことは定期テストの得点を高く保つことです。
そのためには、日々の授業をきちんと受けること、普段からその日のうちに復習を行うとともに、テスト範囲の教科書やワークは3周以上繰り返し解き、基礎だけでなく応用問題にも対応できるように知識を深めておくことが大切です。テスト範囲が発表されたらすぐに学習プランを立て、苦手科目や得点を伸ばしやすい科目に力を入れることで、高得点を目指しましょう。
なお、内申点には主要5教科だけでなく、副教科の成績も反映されます。副教科だからといっておろそかにせず、全科目平均的に高得点を取れるよう、テスト対策をしておきましょう。
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