
大学の入試対策では、赤本と青本がよく利用されます。
どちらも受験勉強で役立つ過去問題集ですが、「どちらを使えばいいの?」と迷っている受験生も多いのではないでしょうか。
それぞれの教材には異なる特徴があるため、本記事で赤本と青本の違いをわかりやすく解説します。
ご自身に合った過去問題集を選んで、効率的に勉強を進めましょう。
赤本の基本情報
赤本とは、教学社が毎年出版している各大学の過去問題集のことです。
その名の通り赤い表紙が目印で、書店や図書館で見かけることも多いでしょう。
赤本の最大の特徴は、対応している大学の数が非常に多い点にあります。
2025年5月時点で国内にある大学812校(※)のうち、373校もの過去問題集が赤本として出版されています。
ご自身の志望校がこの中にあるか、まずは書店やインターネットでチェックしてみましょう。
受験勉強の初期段階ではもちろん、本番直前の総仕上げとしても活用できるため、多くの受験生にとって欠かせない定番の教材です。
※文部科学省の「令和7年度学校基本統計(学校基本調査の結果)速報値を公表します(p2)」を参照
青本の基本情報
一方の青本は、駿台予備学校の関連会社である駿台文庫から出版されている、青い表紙が目印の過去問題集のことです。
駿台予備学校の講師陣が解説を務めており、解答に対する詳細な補足説明が記載されているのが大きな特徴です。
たとえば、数学では解法に至るプロセスや別解が丁寧に示され、国語では「なぜこの選択肢が誤りなのか」「記述に含めるべき要素は何か」といった分析が紹介されています。
対象とする大学は、多くの大学に対応している赤本とは異なり、国立・私立の最難関12校のみに限定されています。
青本が対応している大学は、以下の通りです。
| 青本が出版されている大学一覧 | |
|---|---|
| 国公立大学 | ・北海道大学 ・東北大学 ・東京大学 ・東京科学大学(旧東京工業大学) ・一橋大学 ・名古屋大学 ・大阪大学 ・京都大学 ・神戸大学 ・九州大学 |
| 私立大学 | ・早稲田大学 ・慶應義塾大学 |
赤本と青本の違いは?
前項でお伝えした赤本と青本の基本情報を踏まえて、ここからは、それぞれの違いを改めて整理していきます。
主な相違点は、以下の3つです。
【赤本と青本の違い】
- 対応大学数と対象受験生
- 掲載されている年数
- 問題ごとの解説
対応大学数と対象受験生
先述した通り、赤本と青本では対応している大学の数に大きな違いがあります。
赤本シリーズの中には、一部の通信制大学や専門職大学の過去問題集も含まれており、国公立大学や私立大学以外の進路を考えている受験生の入試対策にも活用可能です。
また、医学部や難関大学を目指す受験生向けに、“赤本メディカルシリーズ”や“難関校過去問シリーズ”も出版されており、専門性の高い対策が必要な場合に選ばれています。
対して、青本は有名難関大学に特化し、解説も非常に丁寧なため、「難関大学合格に向けて一問一問を深く理解したい!」という強い志がある受験生に適した教材です。
掲載されている年数
赤本と青本の違いとして、過去問の掲載年数も挙げられます。
わずかな差ではありますが、赤本では過去6~7年分、青本では過去5年分程度の問題が収録されているのが一般的です。
ただし、大学や学部によって掲載年数は異なるため、最新の書籍情報を出版社の公式ホームページで確認するとよいでしょう。
問題ごとの解説
対応している大学数や対象の受験生、過去問の掲載年数に加えて、解説の手厚さも赤本と青本で異なります。
赤本の場合、問題の解説は青本と比べて簡潔にまとめられています。
そのため、問題を自力で解けず、解法や考え方のポイントをもう一度勉強し直したい場合は、より具体的な解説が必要かもしれません。
「もう一歩踏み込んで理解を深めたい」という受験生にとっては、少々物足りなさを感じさせる内容といえます。
一方、青本には駿台予備学校の講師陣による詳細で丁寧な解説が掲載されています。
ご自身の苦手分野や、解法の糸口が見つからない問題に対しても手厚い解説があるので、一つひとつ理解を深めながら受験勉強を進めたい場合に最適です。
赤本と青本のどちらがおすすめ?
赤本と青本の違いを押さえたところで、本項では以下の3つのケースごとに、どちらが適しているのかを解説します。
【赤本・青本が適しているケース】
- 詳細で丁寧な解説を重視する場合
- 費用と掲載年数の多さを重視する場合
- 対策したい科目が明確な場合
詳細で丁寧な解説を重視する場合
難関大学への合格を目指す受験生には、解説が詳しくまとめられている青本がおすすめです。
青本には、プロ講師による要点を押さえた質の高い解説が掲載されています。
この詳細な解説を読むことで、受験生は問題の意図や解き方の論理を理解し、応用力を身につけることができます。
特に、小論文や英作文などの記述式問題や、複雑な思考を求められる問題に対して、着実に対応力を身につけたい受験生には心強い一冊となるでしょう。
費用と掲載年数の多さを重視する場合
「教材費はなるべくおさえたい」「できるだけ多くの過去問を解きたい」とお考えであれば、赤本が適しています。
大きな差はありませんが、赤本は青本と比べて費用が安く掲載年数も多いため、コストパフォーマンスに優れています。
また、過去数年分の問題に触れることで出題傾向を把握でき、実践的な入試対策につながるでしょう。
対策したい科目が明確な場合
志望校の合格に向けて、特に対策したい科目がはっきりしている場合は、ご自身に適した教材はおのずと決まってきます。
対策科目が明確なのであれば、「多くの過去問に触れたい」のか、「一つひとつの問題への理解を深めたい」のかによって、適切な教材が変わるためです。
複数の科目を網羅的に対策したい場合は赤本を、特定の科目に絞って、解法のプロセスや別解について理解を深めたい場合は青本を活用するのがおすすめです。
赤本・青本を解くことの重要性
ここでは、入試対策において赤本と青本の過去問を解くことが重要な理由を、改めて確認しておきましょう。
主なポイントとしては、次の3点が挙げられます。
【赤本・青本を解くことの重要性】
- 出題傾向を把握できる
- 出題レベルを把握できる
- 自分自身の学力を把握できる
いずれも入試対策の要であり、意識しておきたい点です。
赤本や青本を解く必要性もここにあり、そのことをきちんと理解しておけば受験勉強に対するモチベーションの向上につながるため、以下で詳しく解説します。
出題傾向を把握できる
赤本・青本には過去数年分の入試問題が収録されており、これらをより多く解くことで、志望校の出題傾向を把握できます。
出題される問題の形式や時間配分などをあらかじめつかんでおけば、入試本番で慌てることなく、冷静に問題に取り組めるでしょう。
出題傾向は大学ごとに異なるため、赤本・青本を活用して志望校に特化した具体的な対策を立てることが大切です。
出題レベルを把握できる
多くの過去問に触れることで、志望校の出題傾向だけではなく、出題レベルも理解できるようになります。
志望校の出題レベルを把握できれば、合格までに必要な学力を具体的にイメージできます。
これにより、ご自身の苦手な科目を対策しながら、出題レベルに合わせた学習計画を立てられるため、効率的に受験勉強を進められるでしょう。
自分自身の学力を把握できる
受験勉強を進める上では、志望校の出題レベルに加えて、ご自身の現在の学力を正確に知ることも非常に重要です。
赤本・青本の過去問に取り組むと、苦手な分野や理解が不十分な科目が浮き彫りになるため、重点的に対策したいポイントを見極められます。
苦手分野の克服に重点を置きながら、得意科目もバランスよく伸ばしていくことで、志望校合格に向けた効果的な対策が可能になります。
黒本との違いは?
赤本や青本の他に、“黒本”とよばれる過去問題集があることをご存じでしょうか?
黒本とは、大手予備校の河合塾が運営する河合出版から刊行されている、“大学入学共通テスト”の過去問題集のことです。
赤本や青本が各大学の個別試験(二次試験)の過去問であるのに対し、黒本は共通テストの過去問に特化している点が大きな違いです。
国公立大学の一般選抜を受験する場合、原則として共通テストの受験が必須となります。
また、多くの私立大学でも、共通テストの成績を利用する“共通テスト利用方式”を採用しています。
大学進学を目指す受験生にとって共通テストへの対策は不可欠なので、赤本・青本とあわせて黒本も活用してみてください。
【まとめ】赤本と青本の違いを押さえて、ご自身に合った教材を選びましょう
大学受験の入試対策で必須ともいえる過去問題集の赤本と青本には、対応している大学数や掲載年数、また問題ごとの解答の詳しさに違いがあります。
こうした違いを踏まえ、志望校の対策に適した色の問題集を選ぶことが重要です。
その際は、より多くの過去問を解くなら赤本、解説の充実度を重視するなら青本を活用しましょう。
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こうした学習を通じて、“効率のよい勉強法”と“自分で解決する力”が自然と身につき、自己学習の質も大きく向上するでしょう。
志望校合格を目指して、赤本・青本を活用しながら勉強に取り組んでいる受験生にとって、坪田塾は心強いパートナーとなります。
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