
通信制高校に通う生徒やそのご家族の中には、「通信制高校からの大学進学は難しい」という情報に触れ、不安を抱いている方もいらっしゃるかもしれません。
ただでさえ、受験勉強は心身に大きな負担がかかるものですから、こうした不安は早めに解消したいところです。
そこで本記事では、通信制高校からでも大学進学を目指せるかどうかを明らかにしたのち、受験対策を有利に進める方法をお伝えします。
ぜひ最後までご覧ください。
目次(クリックで開閉)
・通信制高校から大学に進学できる?進学率はどれぐらい?
┗通信制高校からの大学受験は不利になる?
・通信制高校の生徒が受けられる大学入試のタイプ
┗一般選抜
┗総合型選抜(旧・AO入試)
┗学校推薦型選抜
・通信制高校から大学に進学する上での課題
┗課題①独学で学習を進める必要がある
┗課題②授業の難易度が低い傾向にある
┗課題③モチベーションの維持が難しいこともある
・通信制高校から大学への進学を目指すための対策方法
┗対策①志望校への対策に力を入れる
┗対策②卒業後の進路にまで目を向けて学習に取り組む
┗対策③模試を受ける
・大学進学を成功させるためのポイント
┗ポイント①進路を早めに決める
┗ポイント②自分に合った志望校を選ぶ
┗ポイント③基礎学力の向上に努める
┗ポイント④個別指導に対応している学習塾に通う
・受験生の家族ができるサポート
┗精神的なサポート
┗健康面でのサポート
┗学習に集中できる環境の整備
・【まとめ】通信制高校からの大学進学は可能!学習塾や家庭教師を活用して受験対策を効率よく進めよう
通信制高校から大学に進学できる?進学率はどれぐらい?
結論から言うと、通信制高校に通っている生徒でも大学進学は十分可能です。
文部科学省が2024年に実施した調査では、通信制高校に通う生徒のうち約27%が大学に進学していることがわかりました。
全日制高校に通う生徒の、約62%という進学率と比較すると低水準ではあるものの、通信制高校から大学へ進学する生徒の数は年々増加傾向にあります。
また最近では、大学進学に特化したカリキュラムやサポートを提供する通信制高校も増えて来ています。
そのような学校であれば、受験対策も効率よく進めることができるでしょう。
参照元:文部科学省「学校基本調査」
通信制高校からの大学受験は不利になる?
通信制高校に通っているからといって、大学受験で不利になることはありません。
多くの大学では学力試験の結果を重視しており、出身校の名前や学習スタイルを選考の基準としていないためです。
ただし、通信制高校ならではの学習環境が影響して、「受験対策を進めるのが難しい」と感じる可能性はあります。
具体的には、「不明点を講師に直接聞けない」「基礎的な学力を身につける授業しか受けられない」などの理由で、学習を思うように進められないことが考えられます。
こうした事態を回避するには、受験に関するサポート体制が整っており、ハイレベルな指導を受けられる学習塾で受験対策を行うのも一つの方法です。
通信制高校の生徒が受けられる大学入試のタイプ
ここでは、通信制高校から大学進学を目指す際に、選択できる入試のタイプをご紹介します。
大学進学の可能性を広げるためにも、どのタイプがご自身に合っているのかをご確認ください。
【通信制高校の生徒が受験可能な大学入試の種類】
- 一般選抜
- 総合型選抜(旧・AO入試)
- 学校推薦型選抜
一般選抜
一般選抜は、各大学が実施する学力試験や、大学入学共通テストの結果をもとに合否が判定される試験です。
内申点や出身校は評価の基準に含まれず、純粋な学力のみで合否が決まります。
この入試を突破するには、志望校の合格ラインを把握した上で、テキストや過去問を活用して早めに受験対策を行うことが大切です。
総合型選抜(旧・AO入試)
総合型選抜とは、学力だけでなく、次のような項目も選考基準に含まれる試験のことです。
【総合型選抜の選考基準となる項目】
- 志望動機
- 自己PR
- 面接
- 小論文
この試験では、上記をはじめとするさまざまな項目が総合的に評価されます。
特に「大学に入って何を学びたいのか」を重視する大学が多いため、面接などでそれを問われた際に自信をもって答えられるよう、ご自身の目標や考えを事前に整理しておきたいところです。
学校推薦型選抜
高校からの推薦を受けて出願する学校推薦型選抜は、「指定校制」と「公募制」の2種類に分けられます。
指定校制の学校推薦型選抜では、通っている高校が、志望する大学の出願枠を持っている場合にのみ出願が可能です。
各高校の出願枠は数名分しかないケースがほとんどで、推薦を希望する生徒が枠の数を上回った場合は、学内で選考が行われます。
選考の対象者が多いほど競争率が高くなるので、出願枠を勝ち取るのが難しくなるでしょう。
一方、公募制の学校推薦型選抜では、各大学が提示する条件を満たした上で、高校からの推薦を受けられれば出願できます。
高校が大学の出願枠を持っていなくとも出願が可能で、枠数の制限もないため、受験する大学の選択肢が広がります。
ただしその分、入試の難易度は指定校制よりも高くなることが一般的です。
学校推薦型選抜での大学進学を目指すのであれば、出願資格を確認し、推薦を受けるための対策を入念に行う必要があります。
通信制高校から大学に進学する上での課題
次に、通信制高校から大学進学を目指すにあたって、事前に把握しておきたい3つの課題をお伝えします。
知らずに後悔しないよう、一つずつ確認していきましょう。
【通信制高校の生徒が大学入試を受ける際の課題】
- ①独学で学習を進める必要がある
- ②授業の難易度が低い傾向にある
- ③モチベーションの維持が難しいこともある
課題①独学で学習を進める必要がある
独学で受験対策を行わなければならない点は、通信制高校から大学進学を目指す上での大きな課題です。
通信制高校は全日制高校と比較すると、登校の頻度が少なく、学校で授業を受ける機会が限られています。
自宅で学習している時にわからない問題が出てきても、すぐに質問できないため、自力での解決が求められます。
もし自己学習のコツや効率的な進め方を身につけられていない場合、学習につまずき、学力アップに苦戦してしまう可能性があるでしょう。
この課題を解決するには、テキストや過去問を豊富に用意する、または外部の講師の力を借りるなどの工夫が必要です。
課題②授業の難易度が低い傾向にある
通信制高校の生徒が大学入試を受ける際の課題としては、学校の授業だけで十分な学力を身につけることが難しい点も挙げられます。
通信制高校には、全日制高校とは異なる、一人ひとりのペースに合わせた学習を求める生徒が多く在籍しています。
そのため、まずは誰もが高等学校卒業資格を取得できるよう、基礎学力の定着を重視したカリキュラムが組まれることが一般的です。
結果として、授業の難易度が抑え気味になるため、大学進学を目指す生徒は「学校の授業だけでは受験対策に不十分」と感じる可能性があります。
通信制高校からの大学進学を実現させるには、授業外での自己学習でより高いレベルの勉強に取り組むのが望ましいといえます。
課題③モチベーションの維持が難しいこともある
一人で学習を進める時間が長い通信制高校の生徒は、「受験勉強へのモチベーションを維持するのが難しい」と感じる場面もあるかもしれません。
前述の通り、通信制高校は登校日が少なく、さまざまな目標を持つ生徒が在籍しているという特徴があります。
こうした特徴によって、ご自身のペースで学べる点はメリットである反面、「受験」という同じ目標に向かう仲間からの刺激を受ける機会が少ない点は、デメリットともいえます。
そのため、時には孤独を感じたり、学習意欲を保つのが難しく感じたりすることもあるわけです。
受験勉強のモチベーションを一人で維持するのが難しい場合は、学習塾や家庭教師などを利用して、学習環境を変えてみるとよいでしょう。
通信制高校から大学への進学を目指すための対策方法

続いて、通信制高校の生徒が大学受験を成功させるためにできることを3つご紹介します。
今後の受験勉強に、ぜひ取り入れてみてください。
【通信制高校の生徒ができる大学入試の対策】
- ①志望校への対策に力を入れる
- ②卒業後の進路にまで目を向けて学習に取り組む
- ③模試を受ける
対策①志望校への対策に力を入れる
大学入試では学校によって受験科目が異なります。
そのため、それぞれの志望校に合わせ科目を絞って学習を進めることは、受験対策において常套とも言える有効な手段です。
通信制高校には、授業を受ける機会が限られている分、自己学習の時間を多く確保できるというメリットがあります。
志望校の入試で出題される科目を重点的に勉強できるので、受験対策を効率よく進められるはずです。
独学で受験対策を行う場合は、できるだけ早いうちに志望校や入試のタイプを絞り込んで、学習計画を綿密に立てることが重要です。
一般選抜を受ける場合は学科試験の過去問に取り組み、総合型選抜や学校推薦型選抜での受験を考えているのであれば、面接・小論文などの対策もしっかりと行いましょう。
対策②卒業後の進路にまで目を向けて学習に取り組む
大学進学を目指す場合、“高校卒業のための学習”と“大学入試のための学習”は意識的に分けて考えたいところです。
通信制高校の授業は、生徒が確実に卒業できるよう、学習の土台作りを第一に考えています。
たしかに土台作りは重要なことですが、大学入試を突破するには、そこからさらに応用力を身につける必要があります。
そのため、学校から出される課題で基礎を固めながら、志望校の入試レベルに合わせたプラスアルファの学習を主体的に進めていくことが大切です。
対策③模試を受ける
大学進学を目指す際は、外部の模試を定期的に活用することをおすすめします。
通信制高校は、個々のペースに合わせた学習が中心のため、一斉に行われる試験の回数は多くない傾向にあります。
現時点での学力を客観的に把握しにくいので、学習の方向性に迷ったり、モチベーションを保つのが難しく感じられたりすることもあるでしょう。
外部の模試を受ければ、ご自身の学力が全国的に見てどの程度なのかを把握できる上、志望校の合格判定の確認も可能です。
また、大学入試当日のような緊張感をもって臨むことで、本番で最高のパフォーマンスを発揮する練習にもなります。
ただし、模試の結果はあくまでもその時点での実力を示すものに過ぎません。
結果に一喜一憂するのではなく、学習計画を見直すための貴重なデータとして役立ててください。
大学進学を成功させるためのポイント
ここでは、受験対策を行う際に知っておきたい4つのポイントについて解説します。
入試の合格率を少しでも上げるために、それぞれ見ていきましょう。
【大学進学を目指す際のポイント】
- ①進路を早めに決める
- ②自分に合った志望校を選ぶ
- ③基礎学力の向上に努める
- ④個別指導に対応している学習塾に通う
ポイント①進路を早めに決める
志望校を早期に決定することは、すべての受験生にとっての基本戦略といえるでしょう。
志望校が決まらなければ重点的に対策する科目が定まらず、学習の効率が悪くなってしまうためです。
入試は出題範囲が広く、深い知識を求められるので、一日でも早く対策を始めるに越したことはありません。
志望校と入試のタイプをできるだけ早めに決めて、基礎から応用までさまざまな問題に対応できるように学習計画を立てましょう。
ポイント②自分に合った志望校を選ぶ
大学進学を目指すにあたっては、ご自身の興味・関心や、大学卒業後にどんなことをしたいかといった点を重視して、志望校を選ぶことをおすすめします。
もしこれらの要素と志望校とのあいだにミスマッチがあると、いざ受験勉強を始めても学習のモチベーションを保てず、苦しくなってしまう傾向があります。
このようなリスクを避けるには、オープンキャンパスや学校説明会に参加して、志望校の学習内容や雰囲気を確認するとよいでしょう。
入学後のイメージをつかみ、「志望する大学は本当にここでよいのか」を判断するのに役立ちます。
最近ではオンラインでの説明会を開催している大学も多いので、住んでいる場所の関係で現地まで足を運ぶのが難しい生徒でも安心です。
ポイント③基礎学力の向上に努める
基礎学力を身につけることは、大学進学を成功させるために欠かせない取り組みです。
ほとんどの大学では、入試のタイプに関係なく主要科目の基礎学力を合否の基準としています。
そのため国語や数学、英語などの基礎学力は、事前にしっかりと固めておかなければなりません。
基礎学力の定着度を測るには、模試を受けるのがもっとも効果的な手段です。
模試の結果をもとにご自身の学力を客観的に評価して、弱点を洗い出すことで、今後重点的に対策するべき科目や単元を見極められます。
ポイント④個別指導に対応している学習塾に通う
通信制高校では、ご自身のペースで学習を進められる分、学習計画を自ら組み立てていく主体性が求められます。
ただし長い受験期間中、一人でモチベーションを高く保ち、計画を遂行していくことに難しさを感じる生徒も少なくありません。
「この学習法で本当に大丈夫だろうか」と、不安を感じることもあるでしょう。
そのような時は、学習塾で個別指導を受けるのも選択肢の一つです。
個別指導であれば、学習計画の設計をプロの講師にマンツーマンでサポートしてもらえます。
また集団塾とは異なり、ご自身の学力や理解度、志望校に合わせてカリキュラムを作成できるため、受験に必要な知識を効率的に身に付けられます。
「大学進学への道をより確実なものにしたい」「学習のペースメーカーがほしい」と感じるなら、個別指導に対応している学習塾への入塾を検討してみてはいかがでしょうか。
受験生の家族ができるサポート

大学進学は、受験生の力だけでは叶えられません。
本項では受験生の家族に向けて、お子さまのためにできることをご紹介します。
【大学進学を目指すお子さまへのサポート】
- 精神的なサポート
- 健康面でのサポート
- 学習に集中できる環境の整備
精神的なサポート
受験対策では、お子さまのメンタルケアが欠かせません。
自宅で受験勉強に励む生徒は、他の受験生と交流する機会が少ないため、閉塞感に苛まれがちです。
すると勉強のモチベーションが下がることに加えて、将来に対する不安から、メンタルが落ちこんでしまう可能性もあります。
こうした事態を未然に防ぐには、家族が前向きな言葉を掛けて励ますことが肝心です。
お子さまのメンタルを支えられるよう、「毎日頑張っているね」「きっと合格できるよ」などと声を掛けてあげましょう。
健康面でのサポート
お子さまの健康管理も、家族にできるサポートの一つです。
受験を控えたお子さまは、夜遅くまで勉強して生活リズムが乱れ、睡眠時間が削られる傾向にあります。
また、自己学習に励む時間が増えて運動不足になることも考えられます。
このような状態が続くと、体調を崩し、十分な勉強時間を確保できなくなってしまうかもしれません。
「勉強を妨げない程度に就寝・起床時間に目を配る」「栄養バランスが取れた食事を提供する」などの工夫によって、万全な状態で受験勉強ができるようにサポートしたいところです。
学習に集中できる環境の整備
お子さまが勉強に自然と向かえる環境を整えることも、家族にできる大切なサポートといえます。
とはいえ、完璧な学習環境を整える必要はありません。
むしろ多少のノイズがある環境で集中する習慣を身につけさせることも、受験本番に向けた大切なトレーニングです。
「勉強を始める時間になったらテレビの音量を下げる」「スマホは勉強部屋に持ち込まずリビングに置く」といった、家族で話し合ったルールを一緒に守っていきましょう。
このような家族の協力姿勢が、お子さまのやる気を引き出します。
またその上で、ご家庭だけでは学習のペース作りが難しい、あるいは専門的な視点からのサポートが必要な場合は、学習塾や家庭教師を活用するのも効果的です。
客観的なアドバイスによって学習の質が高まり、お子さまが自信をもって自己学習に取り組めるようになるはずです。
【まとめ】通信制高校からの大学進学は可能!学習塾や家庭教師を活用して受験対策を効率よく進めよう
通信制高校の生徒でも、大学進学は十分可能です。
文部科学省が2024年に実施した調査で、通信制高校に通っている生徒のうち約27%が大学に進学しているという結果が出たことが、その裏づけといえます。
ただし、通信制高校では登校の頻度が少なく、学力を測る試験の回数も限られているため、受験対策を工夫して進める必要があります。
「自己学習で十分な学力を身につけるのが難しい」と判断した場合は、学習塾や家庭教師を活用するのもよいでしょう。
通信制高校に通っており、自己学習の進め方でお悩みの方は、坪田塾への入塾をぜひご検討ください。
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