
多くの大学には“繰り上げ合格”という制度があり、たとえ入試で不合格になったとしても、合格できる可能性が残されている場合があります。
ただし、繰り上げ合格者が決まるまでの流れや連絡方法は大学ごとに異なるため、「連絡が来ていたことに気づかなかった」といったことも起こりかねません。
入学のチャンスを逃さないためにも、本記事の内容を参考に、繰り上げ合格の仕組みや連絡がきた場合の対応をしっかり把握しておきましょう。
目次(クリックで開閉)
・繰り上げ合格とは?
┗正規合格とは何が違う?
・繰り上げ合格と補欠合格の違い
┗国公立大学の場合
┗私立大学の場合
・繰り上げ合格が決まる仕組み
┗繰り上げ合格者の数は多い?
・繰り上げ合格の連絡がくるタイミング
・繰り上げ合格の連絡方法
・繰り上げ合格の連絡を待つ際の注意点
┗注意点①繰り上げ合格のタイミングや連絡方法を確認する
┗注意点②繰り上げ合格の連絡を見逃さないよう気をつける
┗注意点③繰り上げ合格となった場合の方針を決めておく
・繰り上げ合格の連絡をもらったら
・繰り上げ合格の電話に出られなかった場合の対処法
・繰り上げ合格の可能性を考えて、いつ連絡がきても返答できるような準備をしておこう
繰り上げ合格とは?
繰り上げ合格とは、入学辞退者が出て入学者の数が定員に満たなくなった際に、その不足分を補うために新たに出る合格のことです。
基本的には、不合格となった受験生の中から、入試の得点が高い順に繰り上げられていきます。
繰り上げ合格に関する制度の詳細は大学によって様々です。上記のように欠員に応じて繰り上げ合格を出す大学もあれば、複数回に分けて合格発表を行う大学もあります。
ご自身が受験する大学がどのような制度を設けているのか、事前に確認しておきましょう。
正規合格とは何が違う?
入試で合格最低点を超える得点を獲得し、もともとの定員内で合格した場合は“正規合格”となります。
入学の意思がある場合は、追加の連絡を待つ必要はなく、そのまま入学手続きを行うことが可能です。
しかし、合格したすべての受験生がその大学に入学を決めるわけではありません。
併願していた別の大学、あるいは学部に入ることを優先し、入学を辞退することもあるからです。
入学を辞退する正規合格者の数が増えれば、新入生の数が定員に満たなくなってしまいます。
そこで大学側は、繰り上げ合格を活用して新しく学生を迎え入れるわけです。
繰り上げ合格と補欠合格の違い
補欠合格とは、入学を辞退した正規合格者の代わりに、不合格となった受験生が入学の権利を得られる可能性がある状態を指します。
一見すると繰り上げ合格と同じ制度のように思えますが、実際には意味合いがまったく異なります。
繰り上げ合格が“合格が確定した”状態であるのに対して、補欠合格は“合格になるかもしれない”という状態であり、まだ正式に合格が決まったわけではないのです。
なお、補欠合格者を発表するかどうかについては、大学間で共通の決まりなどはありません。
そのため、正規合格者と同時に補欠合格者が発表されることもあれば、補欠合格に関しては一切発表がない場合もあります。
この点は国公立大学と私立大学で違いが出やすい傾向にあるので、それぞれの詳細を見ていきましょう。
国公立大学の場合
国公立大学は受験生の第一志望となることが多く、入学を辞退する方はあまり多くありません。
そのため、繰り上げ合格そのものが非常に少ない傾向にあります。
仮に入学辞退者が出たとしても、補欠合格というステップは踏まず、繰り上げ合格が決まった時点で連絡がくることがほとんどです。
国公立大学では補欠合格という概念が基本的にはない、と考えて差し支えないでしょう。
私立大学の場合
併願率が高い私立大学では入学辞退者の数が多く、必然的に繰り上げ合格となる受験生の数も増えます。
そのため、正規合格者の発表とともに、ホームページ上や構内の掲示板などに補欠合格者を掲載する大学が少なくありません。
発表のスケジュールは各大学の入試日程によって異なるため、受験する大学の募集要項を確認しておきましょう。
繰り上げ合格が決まる仕組み
ここでは、繰り上げ合格の仕組みをより詳しく解説します。
まず押さえておきたいのが、繰り上げ合格の候補となるのは補欠合格の受験生である、という点です。
“合格になる可能性がある”補欠合格者の中から、入試の得点が高い順に繰り上げ合格者が選ばれて、正式に合格が決まるという仕組みとなっています。
この際、総合得点が同じ受験生がいた場合は、特定教科の得点によって繰り上げ順が決まることもあるようです。
ただし、すでにお伝えした通り、補欠合格は発表せず、繰り上げ合格が確定した場合にのみ連絡する大学もあります。
この点は募集要項に記載されている可能性があるので、事前にチェックしておきましょう。
繰り上げ合格者の数は多い?
繰り上げ合格者の数は、入学を辞退した方の人数によって大きく変動します。
入学辞退者が多ければ繰り上げ合格者も増えますが、数名しか入学辞退者が出なかった場合は、繰り上げ合格者が出ないこともあります。
また、そもそも繰り上げ合格となる可能性があるのは、僅か1~2点の差で合格最低点に届かなかった受験生のみです。
そのため、入学辞退者の数に関係なく、入試の得点が合格最低点と比べて大きく低かった場合には、繰り上げ合格となる可能性はほとんどないでしょう。
繰り上げ合格は、合格を目指して懸命に勉強した上で、それでもあと一歩というところで届かなかったときに期待できるもの、と考えるのが現実的です。
繰り上げ合格の連絡がくるタイミング
正規合格者の入学手続きがすべて完了し、入学辞退者の数が確定した段階で繰り上げ合格者へ連絡がいきます。
国公立大学の場合は、入学辞退者の数が確定するのが後期試験の合格発表後となるため、繰り上げ合格の連絡がくるのは3月末になるでしょう。
私立大学では、国公立大学の合格発表が行われる3月初旬から中旬にかけて、繰り上げ合格の連絡がくる傾向にあります。
第一志望の国公立大学に合格した受験生は、併願で受けていた私立大学への入学手続きを行いません。その結果として定員に空きが出て、このタイミングで繰り上げ合格を発表するわけです。
繰り上げ合格の連絡方法
以下にまとめた通り、繰り上げ合格の連絡方法も大学によってさまざまです。
【繰り上げ合格の連絡方法の一例】
- ・電話
- ・郵送
- ・メール
- ・大学ホームページ上での発表
「繰り上げ合格の電話がこない……」と落胆していたら、実はホームページ上で発表されていた、ということもありうるので、発表方法は事前に把握しておきましょう。
繰り上げ合格の連絡を待つ際の注意点
補欠合格者になった場合は繰り上げ合格の連絡を待つことになりますが、その際は以下の3点にご注意ください。
【繰り上げ合格の連絡を待つ際の注意点】
- ・注意点①繰り上げ合格のタイミングや連絡方法を確認する
- ・注意点②繰り上げ合格の連絡を見逃さないよう気をつける
- ・注意点③繰り上げ合格となった場合の方針を決めておく
注意点①繰り上げ合格のタイミングや連絡方法を確認する
先ほどお伝えしたように、繰り上げ合格の連絡がくるタイミングやその手段は、大学によって異なります。
この点を把握していないと、繰り上げ合格していたことに気がつかず、入学のチャンスを逃してしまうかもしれません。
特に複数の大学を併願で受ける際は、各大学の繰り上げ合格に関する情報を事前に調べておき、どこから連絡がきても対応できるように備えておきたいところです。
注意点②繰り上げ合格の連絡を見逃さないよう気をつける
受験した大学の繰り上げ合格の連絡方法を確認した上で、実際に連絡がきた際に見逃さないようにすることも大切です。
メールで連絡がくる、あるいはホームページ上で通知される予定であれば、毎日こまめにチェックしましょう。
電話の場合は、大学からの着信が非通知になることもあるので、電話の非通知拒否設定を解除しておく必要があります。
また、受験の際に登録する電話番号には、携帯電話の番号を記入することをおすすめします。
連絡がくる期間に肌身離さず持っておけば、着信を放置してしまう心配を減らせるでしょう。
注意点③繰り上げ合格となった場合の方針を決めておく
繰り上げ合格になったからといって、必ず入学する必要があるわけではありません。
とはいえ、その大学に入学するかどうかを、連絡が来てから決めるのでは遅いでしょう。
その場で回答を求められることは基本的にありませんが、なるべく早くの回答が望ましいことには変わりません。
また、連絡が来たのが3月中旬以降の場合は、即回答を求められることもあるため注意が必要です。
繰り上げ合格となった大学が第一志望かどうかによっても気持ちが変わるはずなので、返答の方針を事前に決めておくことをおすすめします。
第一志望の大学の場合
繰り上げ合格の連絡が第一志望の大学からきたのであれば、何か特別な事情でもない限りは入学を決めることになるでしょう。
大学からの説明をよく確認し、期日までに手続きを済ませれば、晴れて入学が決まります。
一点、繰り上げ合格の場合は、入学金の支払い期日までの日数に余裕がないケースが多いことに注意が必要です。
連絡がきてからお金のことで慌ててしまわないように、ご家族にも相談した上で、繰り上げ合格した場合の入学金は前もって準備しておきたいところです。
第一志望以外の大学の場合
第一志望ではない大学に関しては、入学するかどうかを冷静に判断することをおすすめします。
特に、すでに他の大学に入学金を支払い済みだというケースでは、難しい判断が必要になるかもしれません。
そのような時には、ご自身だけで答えを出そうとするのではなく、ご家族の方としっかりと話し合うことが重要です。
何を学びたいのか、あるいはどのような環境に身を置きたいのかを話し合いの中で整理した上で、納得のいく答えを出すことが大切です。
繰り上げ合格の連絡をもらったら
繰り上げ合格の連絡を実際にもらったら、事前に決めておいた方針にしたがって入学の意思の有無を返答します。
繰り返しになりますが、繰り上げ合格の連絡をもらってから返答するまでの猶予はほとんどないため、入学する・しないにかかわらず早めに回答することが大切です。
入学する場合は、できる限り早く入学金や授業料を振り込みましょう。
繰り上げ合格できたにもかかわらず振り込みが遅れて入学できなかった、といった事態にならないように、迅速な対応を心がけたいところです。
繰り上げ合格の電話に出られなかった場合の対処法
特に電話の場合、「大学から着信があったのに出られなかった……」ということも起こりえますが、過度に慌てる心配はありません。
電話を一度取り損ねたからといって、ただちに不合格になる可能性はほとんどないためです。
ただし、大学側としては入学人数を早く確定させたいと考えているため、何度電話してもつながらないとなると、次の補欠合格者に連絡せざるを得なくなってしまいます。
せっかくの機会を逃してしまうことがないように、着信に気づき次第折り返す、また他の連絡手段で「そちらから電話があった」と伝えることを徹底しましょう。
繰り上げ合格の可能性を考えて、いつ連絡がきても返答できるような準備をしておこう
受験の結果不合格だったとしても、入試の得点が合格最低点とほとんど変わらなかったのであれば、繰り上げ合格によって入学できるチャンスが生まれます。
いつ連絡がきても返答できるように、入学するかどうかの検討や入学金の準備を済ませておくことが大切です。
また連絡に気がつかなかったとしても、すぐに電話を折り返すなどすれば基本的には問題ありません。
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